側弯症の治療 解剖学的・構造学的考察

投稿日: カテゴリー: 症状

2015年より幾人かの方の側弯症の治療を行ってきました。

治療経験やその時の感触として、側弯症は単なる背骨の湾曲だけが問題となっているのではないことに気づきました。
胴体である背骨を超えて首から肩、腕、そして骨盤から足にかけてこれら全てが複合しています。
全身の歪み捻じれの影響として側弯を形成しています。
これらの全身の歪みや捻じれを一つずつ丁寧に解消させていくことで改善が可能です。
角度の進行がある方、止まっている方どちらでも対応可能です。

 

 

目次
側弯症とは?
病因による側弯症の分類病院
2つの側弯症
重症度によって変わる側弯症の治療
オステオパシーで考える側弯症の処置
まとめ

側弯症とは?

人の背骨は正面から見て真っ直ぐになっています。
これが側方(左右)に曲がってしまう状態の事を側弯症と言います。

原因不明に発症する特発性側弯症は、特に思春期の女子に多く、しばしば家族の間でも側弯症を発症されている方がいて、遺伝性も考えられています。
発症当初は無症状であることも多く、大人になってから側弯症に気が付く方もいます。
小中学校に側弯症の検査をしていることを覚えているでしょうか?
立ったままお辞儀をすることで左右の肩の高さや肋骨の高さが違っているかどうかを見る「アダム検査」という簡単な方法で側弯症の早期発見をしています。
側彎は成長に伴って進行していく場合があり、早期発見早期治療が重要になってきます。

 

 

 

病因による側弯症の分類

側弯症は発症する原因が異なりいくつかの種類があります。

1.特発性側弯症
側弯症の70-90%を占めて最も多いです。
原因が不明で思春期の女子に多く、しばしば家族性もみられます。

2.先天性側弯症
特発性側弯症の次に多い側弯症です。このうち75%は進行性になります。

3.神経・筋原性側弯症
小児まひや脳性まひなどが原因によって生じる側弯症です。

4.症候性側弯症
代謝の異常が原因となって生じる側弯症です。

5.変性側弯症
成人以降、脊椎の軟骨や椎間板の変性などに伴って生じる側弯症です。

6.姿勢性側弯症
左右の足の長さの違いや、慢性化した腰痛などによる姿勢の悪さが原因で起こる側弯症です。

7.医原性側弯症
手術の影響でおこる側弯症です。
例えば脊椎固定術などによって曲がったまま固定されてしまった場合などに生じます。
また、人工股関節や人工膝関節に置換して、足の長さに差が出てしまうことでも側彎が生じます。

 

 

 

2つの側弯症

病因による分類とは別に側弯症は大きく二つに分けられます。
機能性側弯症と構築性側弯症です。

筋筋膜の過緊張や姿勢の代償(足の長さの差)により側彎が生じていて、骨の変形がないものが機能性側弯症です。
先天的なものや長期的に機能性側弯症を放置して骨の変形を伴うものが構築性側弯症です。

機能性を放置しておくと、徐々に進行して構築性になる傾向があります。

機能性側弯症
足の長さの違いや、骨盤の歪み・捻じれ、筋肉のアンバランスな過緊張、腰痛などを回避する姿勢
こういった要素が原因で生じる側弯症です。
原因を除去することで側彎が改善されます。

 

構築性側弯症

先天的な要因、機能性の側湾の長期放置により背骨自体が変形を起こしています。
完全な矯正は行えません。
脊椎が変形してしまうので、関係する自律神経機能の低下や内臓機能の低下も起こります。

 

 

 

重症度によって変わる側弯症の治療

側弯症は早期の治療が重要です。側彎症は、「コブ角」と言う湾曲の角度を指標に治療していきます。
軽度な側彎の場合は、定期的な検査で経過観察を行います。

 

コブ角25度以上の場合、装具療法の適応になります。
脇の下からお尻まで覆う大きなコルセットを用います。側弯の進行を防ぎつつ、湾曲を矯正することが目的です。しかし、このコルセット自体がとても大きく、比較的硬い素材で作られるので、着用すると非常に窮屈です。入浴以外は、ほぼ一日中装着していなければならないため、嫌がられる方も多くいます。
一般的には成長が完全に止まるまで継続して装具を装着します。

 

コブ角45度以上になると装具療法の限界となり、手術が考慮されます。
重度の側彎では腰痛だけでなく様々な症状が出る可能性があります。
神経が圧迫されることで足にしびれや痛みが出たり、
内臓機能の低下や心臓・呼吸機能にも異常が出現することがあります。

 

 

 

オステオパシーで考える側弯症への処置

オステオパシーでは身体全体をみます。
側弯を起こしてしまっている脊椎はもちろん、
そこに付随する肋骨、筋肉、血管・リンパ・神経などの捻じれや歪みをみていきます。

側弯を起こしている部分の筋筋膜は過緊張しています。
呼吸にとても関係がある肋間筋、横隔膜、斜角筋も共に緊張します。
なので、呼吸がうまく行かずに代謝が悪くなり、過緊張が続いてしまうという悪循環に陥ります。

背骨や肋骨の捻じれ・歪みを解消することで筋肉の過緊張を軽減させることができます。
筋肉をリラックスさせるために一般的にはマッサージやストレッチを思い浮かべるでしょう。

しかし、こういった癖のついてしまった捻じれは中々それでは解消されません。
なぜなら筋肉は伸張反射といって伸ばされることに対して防御反応を示すからです。
側弯症のように長い癖がついてしまっているのならば、尚更です。
ゆっくりと神経的な反射を起こさないように過緊張を解消させていくことが必要になります。
その結果脊椎や肋骨の捻じれが軽減し、血流が良くなって回復してきます。
背骨の調整

機能性の側弯症であれば、継続的に施術を受けることで悪い癖を解消し、腰痛や背中の痛みなどの症状も解消されてきます。
たとえ側弯の変形が残っていたとしても症状自体は改善していきます。
側弯症の施術は早ければ早いほど、あなたのその後の人生の苦痛は減ることでしょう。