自律神経のバランス。インド古典から学ぶ生き方とその本質

悩みや不安、ストレス、人それぞれ多くの問題を抱えている現代において自律神経のバランスがおかしくなってしまい不調に悩まされている方がたくさんいます。

 

なぜ自律神経のバランスが崩れてしまうのか、どうしたら良いのか、どう生きていけばいいのか。

 

このような生き方の本質的な問題に直面している方は多いのではないでしょうか?

 

 

そのヒントや助けになる言葉がインドの聖典で古くから伝えられています。
とても大切で生き方の本質的な部分を伝えてくれていて私も何度も何度も読み返しています。
今回はその中で特に自立神経のバランスや、自律神経のバランスが崩れてしまう人はどのような傾向があるのかについて解説していきます。
ぜひあなたの生き方の気づきや助けになれば幸いです。

 

この記事を書いている私はオステオパシー整体歴8年、理学療法士【国家資格】を取得しており、総合病院で3年間勤務経験があります。

 

インドの古典「バガヴァッド・ギーター」


今回お伝えするのは「バガヴァッド・ギーター」というヒンドゥー教の聖典になります。
聞いたことや読んだことがあるという方もいるかもしれませんし、もしかしたら生涯全く触れることがないという方もいるかもしれません。

 

ギーターについて語るとそれだけで何ページにもなってしまうので、簡単に要約すると軍の王子であるアルジュナとその導き手であるクリシュナとの対話からなっていて、アルジュナの苦悩や葛藤についてどのようにすれば良いのかを伝えています。

参考文献 バガヴァッド・ギーター 上村勝彦訳 岩波文庫

身体より生じる根本原質(プラクリティ)から生じる要素(グナ)


お伝えしたいのはそこで教えられている根本原質(プラクリティ)と要素(グナ)についてです。

 

プラクリティは物質の根本的な原質のことであり、精神的な原質のことをプルシャと言います。

 

プラクリティから生じている3つの要素(グナ)によって私たちは肉体に束縛されています。

 

その3つの要素が自律神経系のバランスや生き方の本質的な部分をついているように感じます。

 

3つの諸要素(グナ)は純質(サットヴァ)、激質(ラジャス)、暗質(タマス)に分けられます。
これら3つのバランスによって人間は構成(もしくは束縛)されています。
これがなんとなく人間の自律神経系のバランスと関係しているような気がしています。

 

純質はバランスが取れている状態、激質は交感神経が亢進してしまっている状態、暗質は逆に副交感神経が優位になりすぎてしまっている状態。

 

それぞれどんなことが言われているのかを見ていきましょう。

 

純質(サットヴァ)

・汚れないもの。輝き照らし患いのないもの。
・幸福との結合と知識との結合によって束縛される。
・この身体の一切の門において、知識という光明が生ずる時に純質が増大している。
・神々を供養する
・生命力、勇気、力、健康、幸福、喜びを増大させ、美味、油質で、持続性があり、心地よい食物を好む。
・果報を期待せず、ただ祭祀すべきであるとのみ考えて心を統一し祭祀を行う。
・万物の中に唯一不変の状態を認め、区別されたものの中に区別されないものを認める時、それを純質的な知識と知れ。
・果報を期待せず、執着を離れ、愛憎なく定められた行為をなすとき、純質的な行為と言われる。
・執着を離れ、自己を誇らず、堅固さと気力をそなえ、成功不成功に動じないものは純質的な行為者と言われる。

 

激質(ラジャス)

・激情を本性とし、渇愛と執着を生ずるもの
・行為との結合によって束縛される。
・貪欲、活動、諸行為の企て、躁状態、切望。これらは激質が増大したときに生じる。
・夜叉や羅刹を供養する
・にがく、酸っぱく、塩辛く、刺激性で、油気がなく、ひりひりし、苦痛と憂いと病気をもたらす食物を好む。
・果報を意図して、偽善のために祭祀を行う。
・接待、尊敬、崇拝を得るために、偽善により行われる苦行を行う。
・知識が万物の中に各種各様の状態を別個のものであると認める時、激質的な知識だと知れ。
・欲望を求めるもの我執を抱くものが、非常に苦労して行為をなすとき、それは激質的な行為と言われる。
・激情的で、行為の成果を求め、貪欲で、加害を性とし、正常でなく、喜悦と悲しみに満ちたものは激質的な行為者と言われる。

 

暗質(タマス)

・無知から生じ、一切の主体を迷わすもの
・怠慢、怠惰、睡眠によって束縛される。怠慢と結合。
・不明、無活動、怠慢、迷妄。これらは暗質が増大したときに生じる。
・餓鬼や鬼霊の群れを供養する
・新鮮でなく、味を失い、悪臭あり、前日調理された、また食べ残しの、不浄の食物を好む。
・教令に従わず、食物が分配されず、マントラがなく、報酬が払われず、信仰を欠いた祭祀を行う。
・迷える見解に固執し、自己を苦しめたり他者を滅ぼすために苦行を行う。
・ある一つの対象に対し、あたかもすべてであるかのように執着する、根拠のない、心理に暗い小知は暗質的な知識と言われる。
・帰結、損失、加害、能力を無視して迷妄によって企てられた行為は暗質的な行為と言われる。
・専心せず、凡俗、頑固、狡猾、不実、怠惰、悲観的であり、仕事の遅いものは暗質的な行為者と言われる。

 

いかがでしょうか?
あなた自身が思い当たる部分はありますか?
自分がどのような性質に当たるのかを知ることは大切です。
多分、純質的な部分もあれば、激質的、暗質的な部分もそれぞれ併せ持っていると思われる方も多いかと思います。
これらの要素のバランスが大切になってきます。

 

 

3つのバランス

激質と暗質を圧倒したときに純質が優位になります。
激質と純質を圧倒したときに暗質になり、純質と暗質を圧倒したときに激質になります。

このようなバランスが自律神経系と似ている気がします。
激質が優位になっている人は交感神経が高まっているので、緊張気味になり、躁状態、不眠などをはじめ多くの身体の不調を招くでしょう。
暗質が優位になっていると副交感神経が優位になっているので、やる気がなくなったり、常に眠さや怠さがつきまというつなどの不調を招くことでしょう。
 

生まれ変わり

この要素は輪廻転生においても関わってくると言われています。

 

純質が増大したときに死ねば、最高の真理を知る人々の穢れなき世界に達する。
激質の増大したときに死ねば、行為に執着する人々の間に生まれる。
暗質の増大したときに死ねば、愚味な者の胎に生まれる。

 

純質に依存するものは上方に行き、激質性のものは中間に止まり、最低の要素の活動に依存する暗質性のものは下方に行く。
(マハーバーラタでは上方は天界、中間は人間界、下方は獣などを指すと言います。ラーマーヌジュによれば上方は輪廻の束縛から解放されること。中間は天界などの果報を求め、それを享受してからこのように再生すること。下方とは最低の状態から動物、蟲、石、木、草などの状態に行くことであるといわれています。)

 

 

まとめ


いかがでしたか?
私自身はどうなのか?と聞かれたら、「私は純質です!」と答えたいのですが、そうもいかないです(;^_^A
ものすごく活動して試行して、あれやこれやと考えて激質的に動いている時もあれば、「疲れた、めんどくさい、だるい、眠い」とやる気がなくなり暗質的な状態に陥ることもあります。

 

ですが、昔に比べて少しずつですが余り執着しなくなったり、自分を苦しめるようなことは避けるようになったり、変に一つの考えに固執しなくなってきたような感じはします。

こういったことって多分何度も何度も転生を繰り返して学んでいくのではないかとも思っています。

 

私自身「ギーター」に書いてある事の10分の1も、いや100分の1も理解できていないかもしれません。

まだまだ自分が成長できるように純質的に生きられるようになっていけたらなと思っています。

興味がある方、なにか引かれる方はぜひ「ギーター」を手に取って読んでみてください。

きっとあなたの人生にとって大きな道しるべになるかと思います。

この自律神経のバランス。インド古典から学ぶ生き方とその本質

プロフィール画像

丸井恒介(まるいこうすけ)

出身地 東京
生年月日 1985年2月3日
国家資格 理学療法士
所属 IOAJ
(International Osteopathic Association of Japan)
経歴 平成 21年日本リハビリテーション専門学校入学
日本リハビリテーション専門学校理学療法学科卒業
平成 25年医療法人社団河井病院勤務
平成 27年全日本オステオパシー学院卒業
平成 27年IOIAJ入会
ジム ジェラスD.O. トム シェーバーD.O. に師事
042-302-5447
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