
「首肩がガチガチでつらいし、頭痛やめまいもひどい」
「普段から猫背気味なのは知っているけど、頭痛やめまいも猫背のせい?」
「猫背だと自律神経もおかしくなっちゃうの?」
頭痛やめまい、耳鳴りをはじめとして自律神経に伴う多くの不調が出てしまう方がいます。お腹の不調や不眠、動悸や息切れなど苦しい症状が出ていて病院に行ってみても、特に原因が見つからず「ストレスのせいですね」と言われてしまう方も多いかと思います。
そんな症状にお悩みの方は普段から背中が丸まって猫背になっていませんか?
猫背は姿勢の悪さだけでなく、自律神経にも大きく影響を与えてしまいます。
もし今、不調に悩まされていて猫背だなと自覚がある方は、本記事を読むことで猫背が自律神経に与えてしまう悪影響や、どうしたら猫背を改善していけるのかについて理解できるかと思います。
自律神経失調症でお悩みの方、まだ症状は出ていないけど猫背だと感じている方はぜひ参考にしてみてください。
この記事を書いている私はオステオパシー整体歴9年、理学療法士【国家資格】を取得しており、総合病院で3年間勤務経験があります。
病院では原因が分からない自律神経に伴う不調の方を改善してきた実績がありますので記事の信頼性につながるかと思います。
そもそも自律神経とは
まず簡単に自律神経について知っておいて欲しいことをお伝えします。
自律神経とは身体のあらゆる器官、心臓の動きや胃や腸の動きなど内臓の働き、血管やリンパの流れ、汗、体内時計、体温、代謝、呼吸などを自動的にコントロールしてくれている神経です。
自律神経は英語でAutomatic nerves system(オートマティックナーブスシステム)と言い、その言葉通り、自動で働く神経のシステムのことを言います。
私たちは自分で意識して「心臓を早く動かそう」「早く消化するために胃から胃酸をたくさん分泌させよう」「汗をたくさん出そう」と思っても出来ませんよね?
自律神経の働きによって、私たちはその時の環境や状況に応じて身体が適正な状態になるように勝手にコントロールしてくれているのです。
運動をしていて筋肉にもっと血液と酸素が必要になれば、心臓は早く鼓動し呼吸も早くなります。食べ物を食べたら胃に胃酸を出すように指示されます。夏に暑く体内の温度が上がってしまったら熱を放出するために汗をかきます。
本来自律神経が正常に働いていれば、身体は元気に、その環境で適正な状態で働くことができます。
しかし、普段の生活習慣、ストレスなどによって自律神経の働きが悪くなってきてしまうといわゆる自律神経失調症というように身体に様々な不調が現れます。
猫背が自律神経に与える影響
では、猫背がどのように自律神経に影響を与えてしまうのかを見ていきます。
1. 呼吸が深く吸えなくなる
猫背が自律神経に与えてしまう最も大きな影響は呼吸です。
普段私たちは無意識のうちに呼吸しています。呼吸も自律神経の働きによって行われているため、意識しなくても勝手に呼吸というのは促されます。
しっかりと息を吸って吐くには身体が良い状態である必要があります。
試しに身体を丸めて猫背の状態で深呼吸をしてみてください。
深く吸えませんよね?
吸えないということは吐けません。
こうして猫背の状態だと無意識のうちにどんどん呼吸が浅くなり、慢性的な酸素不足に陥ります。
呼吸はただ単に酸素を取り込むということだけでなく、血液やリンパなど体液の循環を促すポンプの役割があります。
その呼吸が猫背によって浅くなってしまうと、酸素だけでなく血流やリンパの流れも悪くなってしまいます。
その結果頭痛やめまい、耳なりをはじめとして多くの不調を招いてしまうのです。
2. 背骨が捻じれ・ゆがむ
猫背がずっと続いていると背骨も丸まり、ゆがみ捻じれていきます。
自律神経は脳と背骨を通っている脊髄から出て、身体のあらゆる器官に伸びていきます。
例えば胃への交感神経は胸椎の真ん中左から、腸へは胸椎の下から腰椎の上の方から出ているなどそれぞれの器官の位置に合わせて自律神経が出ています。
つまり、背骨のゆがみや捻じれというものはそれだけでも自律神経に影響を与えてしまうのです。
これを専門用語では体性内臓反射といいます。
猫背の姿勢自体が自律神経に影響を与え、働きを鈍らせてしまう原因だと知っておいて欲しいです。
3. 筋肉に不必要な緊張が生まれてしまう
猫背だと身体のバランスが悪い状態です。
顎や頭が前に出て、背中が丸まっています。
身体はバランスを保つために筋肉を働かせます。
猫背の方は首肩がすごく凝ったり、腰が張ったりというのを常に感じていませんか?
それは猫背の影響で背骨が丸まり、その結果背中の筋肉が軽く伸ばされている状態になってしまっているからなのです。
筋肉が固くなっていると思いがちですが、実はそうではないのですね。
このような慢性的な筋肉が引き延ばされることによっておこる緊張は背骨を通じて自律神経に影響を与え、自律神経自体も緊張させてしまいます。
4. 腹部内臓に負担を与える
猫背で丸まった状態だと、胃や腸、肝臓・腎臓など常に腹部内臓が軽く圧迫されたような状態になります。
内臓が圧迫されていると内臓の働きは鈍くなることはもちろんのこと、臓器への血液やリンパの流れが悪くなっていきます。
そうするとますます内臓の働きが悪くなってきてしまい、腹部の不快な症状に発展していきます。
このように内臓の働きが悪くなってしまうのは突然起こるのではなく、猫背の状態が続くことで塵がつもるかのようにジワジワと悪くなっていきます。
猫背を治したい、、、でも
ここまで猫背がどれだけ自律神経に悪影響を与えてしまうのかを解説してきました。
猫背を早く改善したいと思われた方も多いかと思います。
ですが、長年積み重ねられた姿勢の癖や習慣というものを変えるのは大変です。
「猫背を治したいけど、猫背の方が楽」
と思う方も多いでしょう。
ここから先はなんとか猫背を改善していきたいと思う方だけ読んでくださいね。
無理に背筋を伸ばそうとしても逆効果
背骨が丸まった癖がついていて、無理やり背筋を伸ばしても、逆に背中が苦しくなってしまったり、変に背中が緊張してしまう方が大半です。
それでうまくいかなくてすぐにまた猫背に逆戻りなんてことは日常茶飯事かと思います。
猫背の方は無理に姿勢を正そうとか伸ばそうとかする必要はありません。
逆効果です。
一番意識すべきは呼吸
猫背を改善するために最も意識してほしいのは呼吸です。
呼吸は自律神経が自動的に行ってくれる反面、私たちが意識してコントロールすることもできますよね。
呼吸を早くすることも深くすることも私たちの意識で行えます。
つまり、呼吸は私たちが唯一自分たちの意識で自律神経に対して影響を与えることができる方法なのです。
呼吸は血液やリンパなど体液の循環を促してくれる役割があります。
さらに息を吸うことで肺が膨らみ、肋骨が広がることで背骨を自然と無理なく伸ばしてくれます。
私たちは呼吸のたびにわずかに背骨も伸び縮みしているのです。
深い呼吸をするためには背骨も伸びている状態でなければなりません。
猫背を改善するためには背筋を伸ばそうとするよりもまずは自分がしっかりと深い呼吸が出来ているのかを意識してみてください。
深くゆっくり息を吸って、
ゆっくり吐く
これがしっかりと行えるだけでもあなたの姿勢は変わっているでしょう。
次第に自律神経も落ち着きを取り戻します。
まとめ
今回の内容をまとめます
・猫背が自律神経に悪影響をたくさん与えてしまう。(呼吸、背骨、筋肉の緊張、内臓の圧迫など)
・猫背を正そうと背筋を伸ばそうとするのは逆効果
・猫背を改善するためにはまずは呼吸を意識する
いかがでしたか?
自律神経の不調でお悩みで猫背だなぁ、姿勢が悪いなぁと感じている方はまずはあなた自身が普段どんな呼吸をしているのかを観察してみると良いですよ。
呼吸を意識してみたけど、自分が正しくできているのか分からない。
なかなかうまく息が吸えないという方はちゃんと身体を整えることが最も近道です。
猫背でお悩みの方はいつでもご連絡ください。
この猫背は自律神経失調症を招くを書いた人

丸井恒介(まるいこうすけ)
出身地 | 東京 |
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生年月日 | 1985年2月3日 |
国家資格 | 理学療法士 |
所属 | IOAJ (International Osteopathic Association of Japan) |
経歴 | 平成 21年日本リハビリテーション専門学校入学 日本リハビリテーション専門学校理学療法学科卒業 平成 25年医療法人社団河井病院勤務 平成 27年全日本オステオパシー学院卒業 平成 27年IOIAJ入会 ジム ジェラスD.O. トム シェーバーD.O. に師事 |