
「顎関節症っぽくて首も痛い」
「顎も痛いけど常に首や肩が凝っている」
「顎関節症の人って首も悪いの?」
このような疑問をお持ちの方に本記事は書かれています。
私の見てきた経験では顎関節症の方はほぼ間違いなく首に問題を抱えています。本記事では首と顎の関係性を分かりやすく解説していきます。
なんで顎と首が関連しているのか知りたい方、今現在顎関節症と首の痛みやコリで悩まれている方に参考になれば幸いです。
本記事の内容
1.顎関節と首の骨の位置関係
2.顎関節と首の筋肉のつながり
3.他にもたくさんのつながり
まとめ
1.顎関節と首の骨の位置関係
頸椎の上に後頭骨がのり、その横の側頭骨から顎関節へと繋がっています。
骨の位置関係から見てみると、直接的に頸椎と顎関節は繋がっている訳ではありません。
頸椎は後頭骨と側頭骨を経由して顎関節と関係しています。
この位置関係から見てみて、後頭骨や側頭骨の歪み・捻じれが頸椎、そして顎関節に影響を与えてしまうことが理解できます。
2.顎関節と首の筋肉のつながり
次に顎関節と頸椎に関わる筋肉のつながりを見ていきます。
ここがまた複雑な領域になりますので、出来るだけ分かりやすく伝えたいと思います。
頸椎の前面から顎に向けて舌骨を介して筋肉のつながりが多くみられます。それらを舌骨の上にある筋肉だからまとめて舌骨上筋と言ったりします。
顎二腹筋、茎突舌骨筋、顎下骨筋、顎舌骨筋などです。
舌骨から下にあるのはまとめて舌骨下筋と言います。
肩甲舌骨筋、胸骨舌骨筋、胸骨甲状筋、甲状舌骨筋などになります。
舌骨はこれらの筋肉に吊るされながら存在しています。自分でも簡単に触れ動かせることができます。
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これらの舌骨上筋、舌骨下筋は主に口を開くときに働く筋肉です。
咀嚼筋として有名な側頭筋・咬筋・内側翼突筋・外側翼突筋は主に噛むときに使う筋肉で、開口するときに働くのは舌骨上筋と舌骨下筋群になるのです。
そして、舌骨上筋と舌骨下筋は胸骨へと付着しています。
頸椎の前面にある筋肉ですが、胸骨までつながりを持っている筋肉になります。
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そして、ここが重要になります。
開口時にこれらの筋肉が働きます。でも、もし頸椎が捻じれていたり、その下の胸椎や肋骨に捻じれがあって顎関節と胸骨との位置関係が狂っていたとしたらどうなるでしょう?
開口するための力がスムーズに伝達されなくなり、顎関節に変な方向の力がかかるようになります。
顎もスムーズに開かなくなりますよね。
首が悪いと顎関節に影響が出てしまうことは筋肉のつながりからも分かって頂けたでしょうか?
3.他にもたくさんのつながり
上述したのは頸椎から顎に直接つながる筋肉の一例です。
骨の位置関係で表したように頸椎は後頭骨と側頭骨を介して顎関節とつながっています。
なので、頸椎と後頭骨、後頭骨と側頭骨のつながりなど色々なものが関与しています。
例えば頸椎と後頭骨をつなぐものはたくさんあります。
後頭下筋群や胸鎖乳突筋(鎖骨まで繋がっています)、頭半棘筋、僧帽筋など多くあります。
さらに開口時に重要な胸骨に関わる組織も山ほどあります。
これら一つ一つの骨や筋肉、関節などの組織が適切な位置状態にあることが大切です。
顎関節症で首に影響が出ることはもちろん、その下の背骨や肋骨、胸周りにまで影響してしまっているということを知っておいていただけたら幸いです。
まとめ:顎と首だけの問題ではない
身体全体のつながりから考えて、顎関節症だからといって顎や首だけを調整しても効果は薄いのです。
顎関節症で首も痛いという方は相当身体に歪みや捻じれがあると思っていただいて構いません。
しっかりと改善するためには身体全体をみてくれるところがおすすめです。
当院もオステオパシー哲学のもと身体全体をみて、痛みのない優しい施術で顎関節症の方に効果を上げています。
お悩みの方はいつでもご相談ください。
この顎関節症で首も痛い【顎と頸椎の関係】を書いた人

丸井恒介(まるいこうすけ)
出身地 | 東京 |
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生年月日 | 1985年2月3日 |
国家資格 | 理学療法士 |
所属 | 全日本オステオパシー協会 日本オステオパシー連合 IOAJ (International Osteopathic Association of Japan) |
経歴 | 平成 21年日本リハビリテーション専門学校入学 日本リハビリテーション専門学校理学療法学科卒業 平成 25年医療法人社団河井病院勤務 平成 25年日本オステオパシー協会入会 平成 27年IOAJ入会 平成 28年府中オステオパシー まるちゃん整体院開業 |
趣味 | ピアノ、筋トレ、バドミントン |