
「顎関節症で関節円板がズレていると言われたけど元に戻せないの?」
そんな疑問にお答えします。
顎関節症の原因として関節円板がズレて、顎関節がスムーズに動かなくなり、その影響で筋肉や関節に炎症や痛みを起こすと言われています。
その関節円板のズレを改善するために歯列矯正やマウスピースを試みているけどなかなか改善しないという方も多くいらっしゃいます。
関節円板はどこにあるのか、何でズレてしまうのか、そしてどうしたら関節円板のズレを元に戻すことが出来るのかを分かりやすく解説していきます。
顎関節症で関節円板のズレが原因だと言われている方の参考にしていただければ幸いです。
本記事の内容
1.関節円板とは?
2.関節円板がズレる原因
3.関節円板の位置をもとに戻すには?
まとめ
1.関節円板とは?
まずは関節円板がどこにあって、どんな役割をしているのかを解説します。
関節円板の位置
ネッター解剖学図譜より
関節円板は顎関節の中に存在しています。
顎関節の中にも膝や背骨と同じように骨と骨の間にクッションがあります。
それが関節円板です。顎関節自体も丈夫な関節包によって覆われています。
こちらが関節円板なのですが、閉口時と開口時で少し形が変わります。
このように柔軟性がある軟骨で作られているのが関節円板です。
関節円板の周囲は他の関節と同様に靭帯によって補強されています。
しかし、構造的に前後の靭帯の連結が弱いという傾向があります。
繰り返しの負荷によって前後の靭帯が緩んでしまい関節円板がズレてしまうということが多々あるそうです。
2.関節円板がズレる原因
では、関節円板がなぜズレてしまうのかを考えていきます。
頭蓋骨の歪み・捻じれ
頭蓋骨の歪みは顎関節に大きな影響を及ぼします。
実際、当院に来られる顎関節症の方も頭蓋骨の歪みや捻じれは必ずと言っていいほど見つかります。
頭蓋骨の歪み顎関節がある側頭骨に影響を与え、顎関節の位置関係自体がズレてしまいます。
その結果、顎関節の動きが悪くなってしまい、関節円板にも負担が続くことで関節円板が正常な位置からズレてしまうのです。

顎関節症の改善に蝶形骨の調整が必要と聞いたことがあるけどどういうこと?
そんな顎関節症と頭蓋骨の歪み・捻じれの関係について解説します。
頸椎の歪み・捻じれ
頸椎の歪みや捻じれは、筋肉の繋がり、後頭骨との関係からも顎関節に間接的に影響を与えます。
顎関節症の方は首が痛かったり、肩が異様に凝っていたりします。
頸椎の捻じれが顎関節に関わる筋肉の左右差を生み、関節に挟まれている関節円板に負担が加わります。

顎関節と頸椎の関係、筋肉のつながりなどを分かりやすく解説しています。
顎関節症で首も痛い・こっているという方はこちらのページを参考にしてください。
3.関節円板の位置を元に戻すには?
直接的に関節円板のズレだけを元に戻すには手術しかない
直接的に関節円板のズレだけを元に戻すには手術しかありません。
関節の間に注射や、手術で開いて円板の位置を整えるという手術があるみたいです。
間接的に関節円板のズレを元に戻すことは可能
間接的にというのは「何かを介して」ということです。
施術で直接的に関節円板に触れることはできません。
関節円板がズレる大元の原因は頭蓋骨・頸椎を中心とした身体全体の歪み・捻じれにあります。
それらを介して関節円板にアプローチすることは可能です。
身体の歪みや捻じれが解消され、正常化してくれば次第に顎関節の動きもスムーズになり関節円板も正しい位置に戻っていきます。
いくら関節円板の位置だけを元に戻しても
少し考えてみてください。
「関節円板の位置がズレているのが原因」
「関節円板さえ元の位置に戻れば」
あなたはもしかしたらそう考えるかもしれません。
しかし、それではただの対症療法になってしまいます。
顎関節に負担を与えてしまっている身体の状態が変わっていなければ、
いくら手術をしようと、マウスピースをしようといくらでも再発してしまいます。
当院に来られる方は、マウスピースやマッサージなどの方法を試してみてもダメだった方ばかりです。
関節円板のズレを改善するために必要なのは顎だけに注目するのではなく、身体全体をみることです。
いくら顎やかみ合わせばかり見ていても木を見て森を見ず状態になってしまいます。
なぜ、関節円板がズレてしまうのかその原因を探っていく必要があります。
関節円板に直接アプローチしていなくても、顎関節が徐々にスムーズになり、いつの間にか痛みが気にならなくなってきて、調べてみたら関節円板が元の位置に戻っていた。
なんていうことが良くあります。
(この辺りは椎間板ヘルニアと似ていますね)
一見遠回りに見えますが、根本的に解決していくためにはこの方法こそがベストだと考えています。
まとめ
関節円板の周りの靭帯は前後に緩みやすい性質があります。
関節円板がズレているからといって、直接関節円板のズレを正したとしても他の問題が身体には山ほど残っています。
関節円板のズレを元に戻し、尚且つ再発しないようにするには身体全体を正常化していく必要があります。
この方法の方が遠回りのように見えて実は一番近道だったりします。
この【顎関節症】関節円板のズレを元に戻すには?を書いた人

丸井恒介(まるいこうすけ)
出身地 | 東京 |
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生年月日 | 1985年2月3日 |
国家資格 | 理学療法士 |
所属 | 全日本オステオパシー協会 日本オステオパシー連合 IOAJ (International Osteopathic Association of Japan) |
経歴 | 平成 21年日本リハビリテーション専門学校入学 日本リハビリテーション専門学校理学療法学科卒業 平成 25年医療法人社団河井病院勤務 平成 25年日本オステオパシー協会入会 平成 27年IOAJ入会 平成 28年府中オステオパシー まるちゃん整体院開業 |
趣味 | ピアノ、筋トレ、バドミントン |