
「オステオパシーって聞いたことないしなんだか怪しい」
「調べてみてもよく分からない。」
「実際のところ本当はどうなの?」
オステオパシーは普段聞いたこともないし、怪しい感じがするという方は多いです。
そんな疑問について肯定的な意見、批判的な意見も含めて、オステオパシーが怪しいのかどうなのかを解説していきます。
本記事の内容
1.オステオパシーって怪しいの?
2.オステオパシーへの批判
まとめ
この記事を書いている私は、オステオパシー歴7年、臨床歴9年。
国家資格である理学療法士を持っていて、病院で3年間の勤務経験もありますので記事の信頼性に繋がると思います。
1.オステオパシーって怪しいの?
オステオパシーは米国の医師が創始した医学体系です。
オステオパシーは米国の医師(アンドリュー・テイラー・スティル)によって創始された医学体系です。
なので、結論から言ってしまうと怪しいものでもなんでもありません。
東洋医学のように身体全体を見る哲学を持っていて独自の手技療法も発達しています。
海外先進国では大学で学ばれている医学の一つになります。
アメリカでは投薬や手術も可能な医師の資格になっています。
日本ではどうなっているのか?
日本では現在法制度化されていないため、オステオパシーという国家資格は存在しません。
なので、多くの医療従事者(医師、看護師、理学療法士、作業療法士、柔道整復師、鍼灸師など)でオステオパシーを学びたい人は、日本にある協会に所属しオステオパシーを学んでいます。
オステオパシーを学ぶためには国家資格が必要なことが多い
ほとんどの協会においてオステオパシーを学ぶための基準として日本の国家資格を保持していることを条件としています。
これは人の身体を触れるにあたって最低限の医学的な知識を保有している必要があるためです。
現在、国家資格を保持していなくてもオステオパシーを学ぶことが出来るのはJCO(ジャパンカレッジオブオステオパシー)くらいになっています。
2. オステオパシーへの批判
無資格だから、国家資格ではないから
オステオパシーが怪しいという理由の一つとして、「無資格だから」「国家資格ではないから」というような意見があります。
確かに日本でオステオパシーは法制度化されていません。行うにしても自費治療がメインになってきます。
しかし、前述した通り、オステオパシーを学ぶための条件として国家資格を保有していることを必要としている協会がほとんどです。
つまり、日本では現状オステオパシー自体は国家資格ではないけれど、オステオパシーを学んでいる人たちは国家資格保有者が大半だということを知っておいてください。
ただ、中には本当に日本の国家資格も持たず、どこの協会にも所属せず無資格でやっている方もいますのでご注意ください。
そもそも代替医療が怪しい
オステオパシーに限らず、鍼灸、カイロプラクティック、ホメオパシーなどの代替医療そのものが怪しいと思われている方もいます。
この本がいい例でしょう。
「代替医療のトリック」 サイモン・シン
この本では特に鍼灸、カイロプラクティック、ホメオパシーに対しての検証がされています。
要約すると
ホメオパシー:プラセボにすぎない
カイロプラクティック:急性腰痛(ぎっくり腰)にのみ効果がみられる可能性があるが、その他の症状に対してはプラセボ以上の効果はない。また、アジャスト行為による脳卒中、下半身不随のリスクがある。
鍼灸:吐き気や一部の関節痛にのみ効果がみられる可能背買いあるが、その他の症状に対してプラセボ以上の効果はない
というような感じです。
どれもEBM(科学的根拠)に基づいて書かれています。
興味がある方は読んでみると良いでしょう。
そもそも手技療法自体、もともとEBMによる信頼性は低い
上記のような手法に限らず、PNFや関節モビライゼーションなど多くの手技療法は、そもそもEBMにおける信頼性は低くされています。
理由はたくさんありますが、まずは再現性が乏しいことですね。
それもそのはずで、例えば昨日今日学んだ人が行う施術と、10年間学び続けている人が行う施術ではその中身や質、効果は全く別物になりますよね。
つまり、術者によって効果が変わってしまうため、再現性がないのです。
次に、測定し検証することが困難であることです。
同じような症状で同じような年齢、性別の人を集めるのが難しいし、みんな全く同じ理由で症状を出しているなんてことはまずありえないので、検証すること自体が困難であるということが言えます。
なので、どうしても手技療法自体はEBMが低くなると言わざるを得ないのです。
私個人の意見としては、このようなEBMのデータというのはいくらでも改竄可能ですし、不利なデータを持ち合わせることもできます。逆に良いデータだけを集めることもできます。
果たして本当に信頼できるデータというものはあるのかなという感じです。
また、医学の通説も年々変わっていきます。
昔は良いものと思われていたことが今では意味がないものとみなされたりもします。(膝のヒアルロン酸注射がいい例ですね)
そしてEBMばかりに注目してしまうと本当に大切なことを見逃してしまいます。
オステオパシーのフルフォード博士からの言葉を引用します。
現代医学は科学的な研究を土台にしている。科学研究それ自体は価値があるものだが、治癒という現象には現代の科学研究の成果をはるかにこえるものが関係している。
科学で得た知識を捨てることなく、もういちど人間を霊性・精神性・身体性という3つの要素の繋がり具合を詳細に研究していけば、我々ひとりひとりのほんとうの姿が、じつは心霊的もしくは霊的な実質を担う「肉の担体」、つまり肉でできた活動の部隊だということに気づくことができるようになるだろう。
「いのちの輝き」 より
何を言っているのかよく分からないと思われる方もいるかもしれません。
しかし、このことは人間について根幹を為す言葉だと私は感じています。
オステオパシーのEBMは?
オステオパシーに限らずカイロプラクティックやホメオパシー、鍼灸もたくさんの論文や研究成果が発表されています。
オステオパシーでは顎関節症に対しての研究報告やメニエール病に対しての報告など様々な研究や論文が毎年発表されています。
まとめ
オステオパシーは怪しいものではなく医師が創始した医学体系の一つです。
日本では法制度化されていませんが、その分学ぶための基準が高く設定されている団体が多く、日本の医療系の国家資格を保有していることが必要になることが多いです。
オステオパシーでは毎年論文や研究報告がたくさんされています。
これらのことを知って頂き、オステオパシーが怪しいものではないと思って頂けたなら幸いです。