
「オステオパシーって他の整体とどう違うの?」
あなたはこのような疑問をお持ちではないでしょうか?
オステオパシーに興味があるけど、いまいち他の整体と何が違うのかが分からないという方、オステオパシーに興味がある方は本記事を参考にしてみてください。
結論から言うと、オステオパシーと他の整体との違いは施術のテクニックや技術ではなく考え方にあります。
どのような施術をしているのか、その技術や手法に目が行きがちになってしまいますが、本当に大切なのは考え方にあるのです。
普段からオステオパシーを学んでいる人がどのように考えてクライアント様と向き合っているのかを知って頂ければ幸いです。
この記事を書いている私はオステオパシー整体歴8年、理学療法士【国家資格】を取得しており、総合病院で3年間勤務経験があります。
オステオパシードクターから毎年継続して学び、定期的に海外まで研修に行き学んでいるので記事の信頼性につながるかと思います。
オステオパシーと他の整体との大きな違い
オステオパシーと他の整体との最も大きな違いはその考え方、「哲学」になります。
「理念」や「方針」みたいに捉えていただいてもいいかもしれませんね。
オステオパシーの哲学は、創始者であるA.Tスティルによって唱えられました。
2. 身体は独自の自己防衛と自己調節の機序を持つ
3. 機能と構造は相互に関連する。
4. 合理的な治療は上記3原則を基にして行われる。
この4つはオステオパシーの哲学としてとても有名で、オステオパシーを調べたことがある方は聞いたことがあるかもしれません。
今回はこの哲学を一つ一つ深堀りしていきます。
1. 身体は一つのユニットである。
まず一つ目の身体は一つのユニットである。という内容ですが、これがとても重要です。
例えば、あなたが腰を痛めて病院や整形外科に行ったとします。お医者さんは問診して腰のレントゲンを撮って、腰に電気や湿布を当てたりするかもしれません。
膝が痛かったら、膝のレントゲンを撮って、膝に痛み止めの注射をしたり、シップやマッサージなどするかもしれません。
大抵の場合、医者が見ているのは痛みが出ている部分だけになります。
ですが、オステオパシーではそうは考えません。
腰も膝も身体全体の中の一部であり、繋がっています。
それぞれが独立して存在しているわけではありません。
腰に痛みが出ている場合、何かしら身体全体の不調和から腰に負担が掛かっていると考えます。
膝に痛みが出ている場合でも身体全体から問題を探し出します。
首のねじれや背骨のゆがみ、骨盤のねじれの影響で腰痛が出ていたとしたら、いくら腰ばかりに湿布や電気を当てていても改善しませんよね?
整形外科や整骨院に行ったとしても痛みがある部分しか見ない場合も多く、オステオパシーの大きな違いと言えます。
じゃあ、全身マッサージやストレッチをすればいいのか?
じゃあ、全身見て体全体をマッサージやストレッチしていればいいのかと考えてしまうかもしれませんが、それも違います。
それではその人の本質的な問題にはたどり着けません。
大切なのは身体を一つのユニットとして見て、その人の状態を把握して施術をしていくということになります。
Body Mind Spirit
この哲学は英文で
The body is a unit.Body Mind Spirit
と続きます。
オステオパシーでは身体を肉体としての身体だけでなく、マインド(心・思考)、スピリット(魂)が一体になったものとして捉えています。
私はよくマインドと身体の関係について説明していたりしますが、マインドの状態が身体に大きく影響を与えることが分かっています。
不安や心配事が頭の中にいっぱいになっていたら、それだけで呼吸は浅くなり、身体は緊張してしまいます。
そしてスピリット(魂)の領域について私はまだまだ多くのことを学ぶ段階にいます。
身体を肉体だけでなく多方面から見ていること。これもオステオパシーの大きな特徴と言えます。
2. 身体は独自の自己防衛と自己調節の機序を持つ
この哲学は身体にはもともと自然に癒える力が備わっており、オステオパシーはその力を最大限に高めるために行われます。
自分で免疫も持っているし、自分で体を調節する力を持っていて、いわゆる自然治癒力ですね。
オステオパシーを学んでいる人とそうでない人との違いはここに如実に表れてきます。
オステオパシーを学んでいる人が施術をする人は、施術する力よりも体に備わっている力の方が遥かに優れていることを知っています。
施術で行うことが10だとしたら身体の力は100くらいあります(それ以上かもしれません)
オステオパシーで行う施術よりもあなた自身が持っている力の方がよっぽどすごいのです。私たちはそれをサポートしているにすぎません。
このことを知らない施術者は、「おれが治してやる」「おれがやってやったんだ」となってしまい、いわゆる施術者のエゴ(自己満足)になってしまいます。施術者のエゴは時にクライアントさんに対して害をもたらします。オステオパスはその危険性を知っています。
身体に対して畏敬の念と謙虚さを失わないということがオステオパスの特徴だと言えます。
3. 機能と構造は相互に関連する。
構造と聞くと身体の骨格や筋肉などの配列を思い浮かべることかと思います。
でも、「機能」と聞くとどういうことだろうと思われる方もいるかもしれません。(私がそうでした(^^; 機能ってなんのこっちゃみたいな感じでした)
「機能」とは「働き」と置き換えると分かりやすいです。
人体にある器官はそれぞれが固有の働きを持っています。
内臓の働き
脳の働き
血管の働き
リンパの働き
ホルモンの働き
神経の働きなどなど
このような働きが身体の構造と関連しているということをこの哲学では意味しています。
例えば骨格にゆがみや捻じれがあったとしたら、筋肉が十分な力を発揮できるほど収縮や弛緩を行うことが出来なくなり、身体を動かすエネルギー効率も悪くなります。
もし肋骨が歪んでいたら肝臓を常に軽く圧迫し続けることになってしまいます。そうすると肝臓の働きが鈍くなってきてしまいます。また肝臓へ栄養を運び老廃物を回収するための血管にも捻じれが生じるため、肝臓の代謝が悪くなってきてしまいます。
ホルモンは血液に乗って運搬されます。構造にゆがみや捻じれがあったら、ホルモンが各器官に輸送される際の妨げにもなります。
これらは簡単な例ですが、身体の構造が大きく機能に関わることにお気づきいただけるのではないでしょうか?
4. 合理的な治療は上記3原則を基にして行われる。
オステオパシーは上記3つの原則をもとにして治療を行っていきます。
日本では法的に認められていないため、医療行為ではなくただの民間療法の一つになってしまっていますが、アメリカではオステオパシーは医師が行い、投薬や手術、そして体への施術も含めて治療行為として行われています。
まとめ
いかがでしたか?
オステオパシーと他の整体の違いについて、大きく違うのはその考え方にあります。そしてこの考えがあるかないかで施術の効果やクライアントさんに対しての接し方も変わっていきます。
私自身とても大切なことが詰まっている哲学だと感じていて、常にこの考えをもとに施術を行っております。
オステオパシーの奥深さについて少しでも理解していただければ幸いです。
動画で見たい方はコチラ
このオステオパシーって他の整体とどう違うの?を書いた人

丸井恒介(まるいこうすけ)
出身地 | 東京 |
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生年月日 | 1985年2月3日 |
国家資格 | 理学療法士 |
所属 | IOAJ (International Osteopathic Association of Japan) |
経歴 | 平成 21年日本リハビリテーション専門学校入学 日本リハビリテーション専門学校理学療法学科卒業 平成 25年医療法人社団河井病院勤務 平成 27年全日本オステオパシー学院卒業 平成 27年IOIAJ入会 ジム ジェラスD.O. トム シェーバーD.O. に師事 |