
オステオパシーが感染症に対して有益だということをお伝えしましたが、その時の情報は100年以上も前のものなので、「だから何?」「今とは関係ないでしょ」と思われる方も多かったのではないでしょうか?
そんな方のために、現代においてもオステオパシーが免疫力を強化することが認められてきていることや、あなた自身ができる方法をお伝えしたいと思います。
本記事の内容
動画でも解説していますので、良かったらご視聴くださいませ。
オステオパシーと免疫システム
前回オステオパシーの施術によって世界的に流行したスペイン風邪(インフルエンザウイルス)に対してとても有益だったということをお伝えしました。

スペイン風邪(インフルエンザ)が流行って世界中でパンデミックが起きたときに
オステオパシー施術を受けていた人たちがどれだけの恩恵を預かったのかを伝えています。
では、現在ではどうかというと
現在、オステオパシー施術が患者の免疫機能を強化するということはより現代的な試験デザインでもエビデンスとして認められてきている。
Jackson et al, 1998, Noll et al, 2000, Knott et al, 2005, Zhang et a, 2010, Hodge et al, 2015
と2015年の文献でオステオパシー施術が免疫機能を強化することがよりエビデンスとして認められてきていることが分かっています。
特に免疫機能を高めるために行うことはリンパ経路の促進と交感神経の抑制が取り上げられています。
リンパ環流の促進
特にリンパ節や脾臓などのリンパ機関においての抗原抗体の接触機会が増え、抗体産生が増加するなど、免疫機能が活性化される。
交感神経の役割
交感神経の興奮はアドレナリン、ノルアドレナリン、コルチゾールの分泌を増加させ、免疫細胞の機能を抑制させる。ゆえに何らかの痛みや精神的ストレスから生ずる交感神経の興奮を抑制させることは免疫機能が十分に機能するためには大切なこと。
これらの目的達成のために実際にオステオパスが施す手法には様々なものがあります。
免疫力を高めるためにご自身で取り組むこと
予防措置
マスク、手洗い、うがい、目や鼻・口に触らないこと
深呼吸
横隔膜の上下運動は胸腔と腹腔の圧勾配を作り出すことでリンパの流れを促進させます。
全身・特に首周りのストレッチ
筋肉や全身を覆う筋膜が捻じれているとリンパ液は容易にうっ滞します。全身のストレッチによって身体の緊張を取るようにしてください。特にちょうど鎖骨の裏辺りはリンパが静脈に帰ってくるところなので、首や肩、胸周りのストレッチを十分に行うようにしてください。
リラックス
仕事や人間関係などの心理的ストレス、パンデミックに伴う恐怖感から来るパニック状態などは交感神経システムを興奮させ免疫機能にとってマイナスになります。呼吸法も用いた瞑想などもお勧めです。
十分な水分補給
十分な水分補給はリンパの流れを促進させます。
栄養管理
免疫機能アップに良いとされる食べ物には様々な見解があります。個人個人のライフスタイルや遺伝的特性もあって、万人に絶対的に正しい食事方法なんてないということをまず理解してください。栄養のことについて理解し、自分の体調を観察しつつ、自分に合った食生活を見つけていくしかありません。
ただ、免疫機能に絶対的に必要な栄養素として特にビタミン(特にビタミンC、A、E)とタンパク質(新たに作られる免疫細胞の基本要素)は上げることができます。良質なものから摂るようにしてください。
参考文献
Haxton J. 2006. Influenza pandemic challenged the osteopathic profession. Still National Osteopathic Museum
Hodge I.M. Creasy C, Carter K Oriowaki A. Schander A, King HH. 2015, Lympathic pump Treatment as an Adjunct Antibiotics for Pneumenia in a Rat Model. JAOA, May, May 2015, vol,115 306-316
など
今回の情報は私のオステオパシーの学生時代の恩師である江熊省吾先生から頂いた情報になります。
青山にてオステオパシーの施術所を開いていますので、青山付近でオステオパシーの施術を希望の方は江熊先生のところにいかれるといいでしょう。
完璧な予防法なんてない。だからこそ
感染症に対して完璧に予防できる方法なんてありません。
それこそ人に触れない、滅菌室にいるなど外交を遮断するしか方法はありませんが、そんなことしたら生きていけません。
不必要な心配やパニック状態は交感神経を興奮させ、免疫力を弱まらせます。
運動不足も体液循環を滞らせます。
バランスが悪い食生活も身体の力を弱まらせます。
今回の感染症はテレビやメディア、インターネット、YouTube動画でも様々な情報やデマ、推論、意見が交差していて何が正しいのか良く分からなくなってしまっている方も多いと思います。
テレビをつければ不安を煽るような情報ばかりです。
そんな時にどうすればいいのか。
一番は自分の免疫力を高めておくことだと考えています。
そのために必要なことをしていきましょう。
無駄に心配になったり、不安になったり、パニックになったりする必要はありません。
ちゃんと予防措置を行い、
気持ちを落ち着かせて、
少し運動もして、
良い食事をとって、
良く眠る。
このような生活を目指しましょう。
免疫力と言っても目に見えないものだからこそ、日々の身体と心へのケアが大切になってくるのだと私は考えています。
このオステオパシーと免疫システムを書いた人

丸井恒介(まるいこうすけ)
出身地 | 東京 |
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生年月日 | 1985年2月3日 |
国家資格 | 理学療法士 |
所属 | 全日本オステオパシー協会 日本オステオパシー連合 IOAJ (International Osteopathic Association of Japan) |
経歴 | 平成 21年日本リハビリテーション専門学校入学 日本リハビリテーション専門学校理学療法学科卒業 平成 25年医療法人社団河井病院勤務 平成 25年日本オステオパシー協会入会 平成 27年IOAJ入会 平成 28年府中オステオパシー まるちゃん整体院開業 |
趣味 | ピアノ、筋トレ、バドミントン |