内臓マニピュレーション

オステオパシーでは「内臓マニピュレーション」と言って内臓を調整するテクニックがあります。
内臓マニピュレーションと聞くと内臓を押したり揉んだり、引っ張たりというような施術に思われるかもしれません。

確かにそのような施術もありますが、当院で行うのはまた少し異なります。

内臓は骨のような構造物とは違い、弾力性があり、日々その実質や体積も変わっていきます。当然のことですが、人によって大きさや形も異なります。
誰しもが内臓や内臓間にある間膜に歪みや捻じれを伴っています。歪みや捻じれと言う物理的なものから、感情による影響、エネルギーに伴う影響、内臓には様々なことが関わっていきます。それらが蓄積されるにつれ、内臓への栄養供給や排泄処理が障害されて内臓自体の働きが弱くなってしまいます。

そして内臓は骨格の歪みや捻じれから内臓実質に対しての大きな影響を受けます。また、自律神経系の関与も甚大です。

内臓マニピュレーションと言っても、内臓だけを行うのではなくやはり身体全体の関連性から見ていくのが重要になってきます。

このページではそんな内臓と骨格そして自律神経系の関りや臨床での経験を記載していきます。
このコンテンツは情報量も多くなっていきますので随時更新していきます。

 

内臓にあって欲しい動き

内臓には本来あって欲しい動きがあります。それをオステオパシーでは可動力(mobility)、そして自動力(motility)です。それぞれ簡単に説明します。

可動力

可動力とは、内臓が外部からの動きによって引き起こされる動きのことです。例えば、身体を動かしたり捻じったりすると共に内臓も動き捻じれます。呼吸の動きに伴って上下に潰れたり伸びたりするような動きです。
この動きは画像検査でも見られるものです。
実際に計測したときは、呼吸時に内臓の上下運動が1.5㎝あったとの計測もなされています。

 

この動きはとても重要です。
分かりやすく呼吸で考えてみますね。
成人の呼吸数は1分間で約12~20回とされています。1日に換算すると約3万回呼吸をしています。

 

つまり、内臓も1日に3万回上下動を繰り返しているということになります。
これだけ膨大な上下の動きをしている時に、その上下の動きを妨げる要因があったとしたら内臓はどうなるでしょう。
例えば、横隔膜の動きが悪くなってしまっていたり、骨盤の一番下にある骨盤隔膜という骨盤の底を支える組織が固くなっていたら、呼吸のたびに内臓の上下動は妨げられてしまいます。また、正常に上下動きをしないために常に圧迫される力が内臓に加わります。1回1回は微々たる力かもしれません。しかし、それが1日に3万回、1週間、1か月、半年、1年と繰り返されたら?

 

少しずつ内臓自体にもダメージが蓄積し、機能低下を起こしていくでしょう。このような内臓の機能低下は目に見えて分からず、気付かないうちに進行してしまうものです。

 

自動力

一方、自動力と言うのは内臓自体が持っている固有の動きのことです。これは頭蓋仙骨リズムと似たような感じで、呼吸の動きや外部からの動きとは関係なく、常に一定のリズムでゆっくりと動いていて、画像検査などでは検出されない動きになります。呼吸を止めていても起こる動きになります。

大体1分間に7~8回の周期で動くとされています。

頭蓋のリズムよりも少しゆっくりなので、体感としてはジワーっとゆっくり微妙に動いているような感じになります。
この動きは内臓自体の生命の動きと言ってもいいかもしれません。この動きがないということは細胞の死を意味しています。

 

身体が歪み・捻じれ、可動力が乏しくなってくると次第にこの自動力も弱まっていきます。そうすると内臓の機能低下が見られてくるようになるでしょう。
胃で言えば、胃炎になりやすくなったり、胃痛が起きやすくなったりします。いわゆる機能性胃腸症も内臓と身体の問題なのです。

 

内臓と自律神経

内臓は筋肉のように自分でコントロールできません。自律神経によって調整され、動いています。内臓をコントロールするための自律神経は脳から背骨、そして骨盤から出ています。
その関係性が下記になります。

 

また内臓マニピュレーションを開発したバラルによるともう少し神経の支配領域が変わってきます。
・C1-2 硬膜
・C3 大脳の循環
・C4-5 肝臓、胆のう
・C6-8、R1-2 肺
・T3-4 肺、縦郭、心臓
・T5 気管支
・T6 胃
・T7 十二指腸、肝臓、腎臓
・T8-9 肝臓、すい臓、脾臓
・T10 小腸
・T11-12 腎臓、膀胱
・L1-2 小腸、結腸、すい臓
・L3-4 生殖器
・L5 仙腸関節、盲腸、S状結腸、生殖器、子宮、子宮頚、前立腺

となっております。
これらの自律神経系の支配領域に関しては文献によって異なりますが、おおむねオーバーラップしているものかと思われます。

 

これらの神経支配がなぜ大事かと言うと、内臓の不調は背骨に、背骨の不調は内臓に自律神経系を介して現れるからです。
胃が悪ければ胸椎の6番辺りにコリや不調を感じると言ったようにです。

 

この内臓マニピュレーションを書いた人

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丸井恒介(まるいこうすけ)

出身地 東京
生年月日 1985年2月3日
国家資格 理学療法士
所属 全日本オステオパシー協会
日本オステオパシー連合
IOAJ
(International Osteopathic Association of Japan)
経歴 平成 21年日本リハビリテーション専門学校入学
日本リハビリテーション専門学校理学療法学科卒業
平成 25年医療法人社団河井病院勤務
平成 25年日本オステオパシー協会入会
平成 27年IOAJ入会
平成 28年府中オステオパシー まるちゃん整体院開業
趣味 ピアノ、筋トレ、バドミントン
042-302-5447
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