
今回はオステオパシーでも有名なゴードン・ジンクD.O.のジンクの筋膜パターンについて解説していきます。
ジンクの筋膜パターンはなんとなく知っているけど、それがなんの意味があるの?
と疑問をお持ちの方は本記事を参考にして頂けたらと思います。
本記事の内容
1.ジンクの筋膜パターン
2.ジンクの筋膜パターンの意味
3.なぜ左右交互に捻じれるの?
まとめ
1.ジンクの筋膜パターン
ゴードン・ジンクはアメリカのオステオパシー・ドクターであり、研究者でもあり、治療家でもありました。
学生たちはかれのことを筋膜主義者と呼んでいたこともあるほど筋膜に関して熱心に研究していたそうです。
彼が研究していく中で、人には決まって筋膜の捻じれ方にパターンがあることを見出しました。
それがジンクのパターンです。
人体の中で頭、首、胴体、骨盤と左右交互に捻じれていることが理想とされています。
上から右・左・右・左というようにです。
これが逆の左・右・左・右でも構いません。
このように左右交互にバランスが取れていることを一般的代償パターンと言います。
この筋膜の捻じれのパターンが左右交互にバランスが取れていない時は人の健康度が下がっている状態です。
例えば全部右や左に捻じれてしまっていたり、
右・右・左・右
というように左右交互の捻じれが崩れている時は身体の健康さが失われているサインになります。
2.ジンクの筋膜パターンの意味
ジンクの筋膜パターンの意味は、その人の身体の健康度を見ていることになります。
健康というのはストレスに対しての順応のプロセスになります。
どれだけストレスに対して順応できる能力があるのかということをこの筋膜パターンが教えてくれているのです。
どう健康度合いに関与していくのかを詳しく見ていきます。
血流・リンパの流れ
筋膜の捻じれのパターンが切り替わる場所は人体にとってとても大切な場所になります。
少し専門的な話になりますがご了承ください。
ジンクパターンの左右の切り替わりの場所は
上から
小脳テント
上胸隔膜
横隔膜
骨盤隔膜
となります。これらの隔膜は身体を水平に跨いでおり、血液やリンパの還流にものすごく関わっています。
これらの隔膜がバランスよく正常に働いていれば、血液・リンパ液の循環は良好な状態にあります。
しかし、横隔膜や骨盤隔膜が同方向に捻じれていたとしたら(そのような方は多いです)下肢の血液循環・リンパ循環が滞りやすくなり、例えば腰の痛みや膝・股関節の痛みが起きやすくなったり、治りづらくなったりします。
体液循環のみならず、代謝、呼吸状態にも影響を及ぼしてしまいます。
背骨の移行部
ジンクの筋膜パターンは背骨とも関係しています。
上から
後頭骨後弯から首の前弯
首の前弯から胸椎の後彎
胸椎の後彎から腰椎の前弯
腰椎の前弯から仙椎尾骨の後彎
というように背骨のS字のカーブと関りがあります。
例えば頭や首の部分が同方向に捻じれていたとしたら、後頭骨・頸椎・胸椎の同方向の捻じれが生まれ、首の痛みやコリ、背中のコリや痛みを感じてしまうでしょう。
そして、その状態が続くと、少しのストレスで痛みが増加したり、回復しづらくなってしまったりします。
このようにジンクの筋膜パターンはその人の健康に対する順応の度合い、健康を発揮できる力を見ているのです。
3.なぜ左右交互に捻じれるの?
では、最後になぜこのように左右交互に身体が捻じれてしまうのかについて解説します。
これには諸説あります。
1.胎位と前庭刺激
子宮内にいる胎児の時に、前庭(平衡感覚)を刺激されている影響でなるのではないかという説。
2.大脳半球優位性
これは右利き・左利きによって身体の使い方や重心位置が変わる影響によるという説です。
3.脚長差
生まれ備わっているごくわずかな脚長差が捻じれのパターンを生むのではないかという説です。
4.コリオリ効果
南半球と北半球ではトイレで水を流すときに水が渦巻く方向が違います。これが影響しているのではないかという考えですが、筋膜パターンを検査した際に南半球の人も北半球の人も変わらなかったというデータがあるのでこの説はなしです。
5.内臓の左右差
もともと内臓の位置は左右非対称に出来ています。心臓は少し左側にあり、重い肝臓は右側に大きくあります。こういった内臓の位置関係によって捻じれのパターンが生まれるのではという説になります。
まとめ
いかがでしたか?
ジンクのパターンの重要性が理解して頂けたでしょうか?
ジンクのパターンはただ単に筋膜の捻じれを表しているのだけではなく、その人の健康度、ストレスに対する順応性を表しているものなのです。
当院でも施術を受けに来られた方のお身体を見せて頂く際に、必ずこのジンクの筋膜パターンをチェックしています。
私自身も経験としてこの筋膜パターンが整うだけでも、大分身体が楽になりました。身体がスーッと軽くなるような感じですね。
身体に不調や痛みを感じている方はこの筋膜パターンが確実に崩れていることが多いので、信頼できるオステオパスに身体を見てもらうといいでしょう。
このジンクの筋膜パターン【どんな意味があるの?】を書いた人

丸井恒介(まるいこうすけ)
出身地 | 東京 |
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生年月日 | 1985年2月3日 |
国家資格 | 理学療法士 |
所属 | 全日本オステオパシー協会 日本オステオパシー連合 IOAJ (International Osteopathic Association of Japan) |
経歴 | 平成 21年日本リハビリテーション専門学校入学 日本リハビリテーション専門学校理学療法学科卒業 平成 25年医療法人社団河井病院勤務 平成 25年日本オステオパシー協会入会 平成 27年IOAJ入会 平成 28年府中オステオパシー まるちゃん整体院開業 |
趣味 | ピアノ、筋トレ、バドミントン |