
「逆流性食道炎って放っておいても大丈夫なのかな?」
「逆流性食道炎が悪化するとどんな症状を引き起こす可能性があるんだろう?」
そんな質問にお答えします。
逆流性食道炎になっても初期症状は軽くて、大丈夫かなと思っている方も多いかもしれません。
でも、実は逆流性食道炎は放っておくと怖い病気の一つでもあります。
最悪、取り返しがつかないことになってしまう可能性もあります。
そんな逆流性食道炎が悪化してしまうとどうなってしまうのかについて解説していきます。
この記事を書いている私はオステオパシー歴7年、臨床歴9年、理学療法士【国家資格】を取得しており、総合病院で3年間勤務経験があります。
逆流性食道炎の症状で悩まれる方を改善してきた実績があるので、記事の信頼性に繋がるかと思います。
本記事の内容
逆流性食道炎とは
逆流性食道炎とは、胃で消化途中の食べ物や強い酸性の胃液が、食道に逆流してしまって起きます。
食道が炎症を起こして胸やけや胸の痛みなど様々な症状が生じてしまいます。
もともと日本には少ない病気でしたが、食生活の欧米化に伴って、逆流性食道炎になる方が増えていると言われています。
逆流性食道炎の初期症状
逆流性食道炎になると以下のような症状が出てきます。
・胸やけ
・胸がムカムカする感じ
・胸がしみる感じ
・酸っぱいものが胃から上がってくる感じ
・喉のつまり感
・胃もたれ
・げっぷ
・胃の膨満感
これらの症状は逆流性食道炎の特徴的な症状です。
「胃もたれ」「胸の痛み」「げっぷ」「胃の膨満感」などの症状は機能性ディスペプシア(機能性胃腸症)でも見られる症状ですので混同されてしまうこともしばしばです。
このような症状が出ているということは既に胃酸が逆流しているということです。
では、その状態を放っておくとどうなってしまうのでしょうか?
逆流性食道炎を放っておくと
吐血
食道炎が悪化すると吐血(とけつ)することがあります。
食道の炎症がひどいと軽度の出血を伴うことがあります。
出血自体では重篤な状況に至ることは稀だと言われています。
歯が溶ける
胃液が繰り返し逆流する影響で、歯が溶けることが報告されています。
歯のエナメル質はpH5.5以下で溶けてしまうことが分かっていて、強い酸性である胃液に繰り返しさらされることで徐々に溶けてしまいます。
潰瘍(かいよう)
潰瘍とは皮膚・粘膜・角膜などにできる、深部にまで及ぶ組織の損傷(欠損)です。
胃酸が逆流することによって胃や食道の粘膜が損傷し潰瘍化する恐れがあります。
バレット食道
繰り返しの胃酸の逆流によって食道の上皮が胃と同じ円柱上皮におきかえられてしまったものをバレット食道と言います。この状態になってしまうと食道がんになるリスクが高いと言われています。
食道がん
胃・食道逆流症⇒逆流性食道炎⇒バレット食道⇒食道がん
という風に逆流性食道炎を放っておくと食道がんになるリスクが高まります。
逆流性食道炎を放っておくと、歯が溶けたり、胃や食道の潰瘍ができてしまう恐れがあり、さらに食道がんになるリスクが高まってしまいます。
なんにしても悪化させないことが肝心です。
ちなみに逆流性食道炎の生存率ですが、日本食道学会の2008年の発表では外科治療(手術)での5年生存率は53.1%だそうです。
逆流性食道炎を悪化させる要因
逆流性食道炎を悪化させないためにも、何が悪化させる要因になっているのかを紹介していきます。
喫煙
タバコに含まれているニコチンが胃の内容物を逆流させることに関わっていることが分かっています。
アルコール
食道に対して刺激が強く、食道が過敏になってしまう。
ガストリンという消化ホルモンを分泌させ、胃酸の分泌が多くなってしまう。
食道の蠕動運動が低下し、食道に内容物が長く留まってしまう。
これらのことからアルコールが逆流性食道炎を悪化させる代表的な要因です。
高脂肪食
脂肪には消化管ホルモンである「コレシストキニン」を小腸から分泌させます。
これが胃から逆流させやすくなってしまうことに関わっていると言われています。
炭酸飲料
炭酸飲料は胃に空気が溜まるため、げっぷを誘発しやすく、胃の内容物を逆流させてしまいやすいと言われています。
薬
血圧の薬の一部や精神安定剤(ベンゾジアゼピン系)などは逆流性食道炎を悪化させる可能性があることが分かっています。
過食
食べすぎは胃の逆流を招き、逆流性食道炎の憎悪因子の一つです。
香辛料
食道の粘膜を直接刺激し、逆流性食道炎の症状を悪化させると言われています。
喫煙・アルコールはもちろんのこと、食生活や薬を気をつけることで逆流性食道炎の悪化を予防することができます。
もし思い当たるところがあったらぜひ改善してくださいね。
まとめ
いかがでしたか?
逆流性食道炎と言っても放っておくと、食道がんになるリスクが高まってしまうなど取り返しがつかない事態になりかねません。
逆流性食道炎が悪化してしまう要因としても分かっていることがたくさんあります。逆流性食道炎を良くしていくためにも普段の食生活を見直していくことも大切ですね。
この逆流性食道炎、悪化するとどうなるの?を書いた人

丸井恒介(まるいこうすけ)
出身地 | 東京 |
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生年月日 | 1985年2月3日 |
国家資格 | 理学療法士 |
所属 | 全日本オステオパシー協会 日本オステオパシー連合 IOAJ (International Osteopathic Association of Japan) |
経歴 | 平成 21年日本リハビリテーション専門学校入学 日本リハビリテーション専門学校理学療法学科卒業 平成 25年医療法人社団河井病院勤務 平成 25年日本オステオパシー協会入会 |