整骨院、整体院でのボキボキ。音を鳴らして意味があるの?

「整体でボキボキして意味があるの?鳴らさないと良くならないの?」
「YouTubeでボキボキ鳴らす整体とかよく見るけど、本当に身体に良いの?」
「鳴らされるなら整骨院や整体に行くのも怖くて不安」

 

府中市でも整骨院や整体に行くと体をボキボキ鳴らされてしまうんじゃないかと思って、行くのを躊躇してしまっている方もいるかと思います。

 

でも、知っておいて欲しいのはどの整体や整骨院でもボキボキと関節を鳴らす施術をするわけではないのです。

 

メディアやYoutubeでは効果があるかのようにボキボキ鳴らすことを演出していますが、ボキボキ鳴らすことは大変危険がある行為なのです。メディアや動画に踊らされず、あなた自身の身体を守るためにも、今一度正しい知識を知って欲しいです。

 

整体でボキボキ鳴らす理由、ボキボキ鳴らすというのはどんな意味や効果があるのか、またその危険性について解説していきます。

 

 

この記事を書いている私はオステオパシー歴7年、臨床歴9年、理学療法士【国家資格】を取得しており、総合病院で3年間勤務経験があります。
ボキボキするテクニック(スラスト)も海外のドクターから教わっていますので記事の信頼性に繋がるかと思います。

ボキボキ音の正体


「ボキボキと音が鳴ると骨折してるんじゃないかと思って怖い」という方もいますが、ボキボキ音は骨が折れて鳴っている音ではありません。

ボキボキ音がなる仕組みのことを「キャビテーション」と言います。

関節と関節の間には関節包という靭帯組織によって包まれています。その中には関節を滑らかに動かすための潤滑液が入っています。

関節を動かしているとこの潤滑液の中に空気の泡である気泡ができます。その気泡が、関節を曲げたり伸ばしたり捻ったりなどの圧力が加わることによって弾けます。その音が私たちが聞いているボキボキ音なのです。

 

ボキボキ音は関節の中の潤滑液の気泡が弾けて鳴るのだということを知っておいてください。

 

音が鳴るのは危険なの?

「ボキボキ鳴らすと関節が太くなる」「ボキボキ鳴らすのは危険」と聞いたことがある方も多いかと思います。
ボキボキ音が関節の中の気泡が弾ける音であれば、別にボキボキ鳴らしても問題ないように思えますよね。でも、そんなことはないのです。

 

ボキボキ音が鳴るためには1トンもの圧力が必要


キャビテーションが起きるためには関節の1㎠辺りに1トンもの圧力がかかると言われています。

 

ボキボキ音を鳴らすためには関節を曲げたり、捻ったり、伸ばしたりという動作が必要になります。それに伴って関節には1トンもの圧力がかかっているのです。

 

これだけの力が加わっているのですから関節内の軟骨や骨自体にも相当なダメージが加わってしまうことは想像できるでしょう。
また、ボキボキ鳴らすためには関節を強く捻ったり、曲げたり、伸ばしたりする必要があります。

関節を繋いでいる靭帯や関節包にもダメージが来て伸びきってしまいます

関節を繋ぐ靭帯が伸びてしまうと、関節を支えるために過度に筋肉が頑張らないといけなくなってしまいます。

筋肉が無駄に緊張し血流が悪くなってコリや不調を感じやすくなってしまいます。

 

バレエをやっていた方、体操選手、格闘技で関節技をやられていた方など柔軟性が過度にある方が靭帯や関節が緩んでしまって体の痛みや不調に困っている方が多いのは、このためです。

 

関節を鳴らせば鳴らすほど太くなる?

「指をボキボキ鳴らすと太くなるよ」と言われたことがある方もいるかもしれません。

関節を鳴らすことで損傷した組織を修復するために、靭帯や関節包、軟骨が厚く頑丈になるからと言われていたりしますが、これは嘘だということが分かっています。

 

ドナルド・L・アンガーという研究者が60年以上にわたり、毎日左指の関節を鳴らす一方で、右の指関節は決して鳴らさないという実験を続けました。その結果、関節炎にならなかっただけではなく、毎日ポキポキ鳴らしていた左手と、一度も鳴らさなかった右手にまったく差は出なかったという報告があります。

 

ただし、これは指に関してだけです。
指の関節は末端にあり、ポキポキ鳴らしたとしても関節にかかる負担や神経・血管への影響が少ないからだと言えます。

 

もし、この実験を首や腰にしていたらどうなるでしょう?残念ながらそんな実験はありません。

ただ私個人の体験をお伝えします。私は高校生の頃から腰をボキボキするのが良いことなのだと思って、毎日最低1回は腰を自分で捻ってボキボキ鳴らしていました。

その結果どうなったかというと、腰痛になり、ヘルニアと診断されました。腰は不安定になり、腰椎はズレやすくなってしまいました。

あなたも私と同じ間違いはしないように注意してくださいね。

 

整体・整骨院でボキボキ鳴らすのはなぜ?


整体や整骨院によっては、行くたびに毎回ボキボキ鳴らされるところもあるようです。
ここでボキボキ鳴らす施術の意味をお伝えします。
このことを知らずにボキボキしている整体や整骨院が余りにも多いので注意が必要です。

 

ボキボキ=関節のズレを治す?

よく整体や整骨院でボキボキされた後にどや顔で「ズレを矯正した」「歪みが治った」と言われたことはありませんか?

これはボキボキする施術がどのような効果や意味があるのかを知らないで使っている人が言う言葉です。
ボキボキ整体はズレを矯正するためでも歪みを整えるためにも行うものではありません。

 

本来のボキボキする意味

一般的にボキボキする施術というのはオステオパシーでいう「スラスト法」「HVLA 高速艇振幅」というテクニックです。カイロプラクティックでいうと「アジャスト」となります。

 

この方法は2000年以上も前から世界各地で使用されていた手技で、主に関節可動性の回復を目的に行います。

 

スラストを用いることで関節の可動性が増加するという研究報告がたくさんあります。

 

やり方としては関節を可動域ギリギリまで動かしてそこから一瞬の力を加え、ギリギリの可動域を超えて動かすという方法です。
その力を加えたときにキャビテーションが起きます。

 

本来のスラストテクニックにはボキボキ音は関係ない

「あれ?鳴らない」なんて整体や整骨院で言われたことはありませんか?
でも、実は本来のスラストテクニックにボキボキ音は関係ありません。

 

本来のスラストテクニックの意味は関節の可動性を上げることです。ボキボキ音がなくても可動性が上がっていれば成功なのです。
ボキボキ音がテクニックの効果に関係しているかどうかの因果関係は研究でも証明されていず、いまだに議論の的とされています。

 

ボキボキするテクニックはこんな人に効果的

関節がひどく固着している状態や動きが悪くなってしまっている時に用いると効果的です。
しかし、このテクニックが必要な人というのは、本当は少ないのです。
ボキボキせずとも安全に関節の動きを良くしてあげることができるテクニックはたくさんあります。

 

ボキボキ整体の禁忌

もちろんこのテクニックをしてはいけない人というのが決まっています。
・骨粗しょう症
・易出血性、凝血異常など血液の疾患
・椎間板ヘルニア
・リウマチ
・骨髄炎など骨の病気
・固定手術を受けている関節

これらの方に関節に負担がかかるスラストテクニックを用いるのは危険です。

 

ボキボキ整体による事故

誤ったテクニックの使用によって体に障害を負ってしまったり、最悪の場合死に至るケースもあります。

 

アメリカのモデルであるケイティ・メイが34歳で急死したという事件があります。
死因はカイロプラクティックによる頸椎のアジャスト(ボキボキ)でした。

 

またこのような研究報告もされています。
「1992年、Stanford Stroke Centerの研究。486名の神経外科医に過去2年間で頸椎のアジャスト施術後24時間以内に脳卒中を起こした人がどれだけいたのかというのを調査。その結果、177名の神経専門医が55名の患者さんを報告。そのうち1名が死亡、48名が不明瞭な発音、めまい、文章障害など恒久的(ずっと)な神経障害を生じたとされている。主な原因は頸椎のアジャストによる椎骨動脈の損傷によるものだと考えられている」

 

また日本の厚生労働省でも頸椎に対するボキボキ行為の危険性と禁止が通知されています。

 

あなたはここまで知ってもまだボキボキ鳴らす整体を受けたいと思いますか?

 

良くないボキボキ整体の例

これは実際に当院に来られた方から聞いた話です。

 

・腰のヘルニアによる痛みで困って整骨院に行ったら、腰をボキボキ鳴らされ余計に痛みが悪化してしまった。

 

・頭痛で整骨院に行くとストレートネックと言われて首をボキボキすると早く治るよと言われた。行くたびにボキボキ鳴らされるけど、頭痛は一向に良くならない。5回くらい通った辺りで頭痛だけでなく、首や背中の左側にも痛みが出てきてしまって、「これはおかしい」と思いその整骨院に行くのはやめた。

 

・首の痛みがひどいので、近くにある整体に行ってみた。首をボキボキすると早く治ると言われ、お願いすることに。ボキボキするごとに毎回オプション代として取られ、行くたびにボキボキを勧められる。3か月くらい週4~5かいくらいのペースで通ったけど全然首の痛みは引かなかった。

 

今まで説明してきたように、ボキボキするテクニックは音を出すことが目的ではなく、可動性を上げることが目的です。

 

整骨院や整体に行くたびにボキボキされる。

そんなことを繰り返していては、体は良くなるどころか壊れていくだけです。

そうならないように今回お伝えしたことをしっかりと憶えておいてください。

 

まとめ

いかがでしたか?
整体や整骨院でのボキボキの危険性について少しでも理解して頂けたら幸いです。
これだけ危険だということが分かっているのに、いまだにメディアやYouTubeでもボキボキする動画が気持ちよくて良いみたいな風潮があります。
しかし、本記事を最後まで読んで頂けたあなたは、そんなことに惑わされず、本当に危ない行為なんだ、気持ちいいだけで済まされないんだということを肝に銘じておいていただけたらと思います。

この整骨院、整体院でのボキボキ。音を鳴らして意味があるの?を書いた人

プロフィール画像

丸井恒介(まるいこうすけ)

出身地 東京
生年月日 1985年2月3日
国家資格 理学療法士
所属 全日本オステオパシー協会
日本オステオパシー連合
IOAJ
(International Osteopathic Association of Japan)
経歴 平成 21年日本リハビリテーション専門学校入学
日本リハビリテーション専門学校理学療法学科卒業
平成 25年医療法人社団河井病院勤務
平成 25年日本オステオパシー協会入会
042-302-5447
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