
立てないし、歩けない。寝ていても痛い恥骨
「赤ちゃんを抱っこしたいけど、痛くて思うように出来ない、、、」
「このまま治らないのではないか、歩けないままなのではないかと不安でいっぱい、、、」
「産後、恥骨が痛いけど我慢できると放っておいたら、今は首・肩こり、冷え性、腰痛、胃腸が弱いと不調がたくさん出てしまっている」
産後の恥骨結合離開でお悩みの方へ
「恥骨結合離開は出産時にしばしば認められる」と最近増えてきているという報告を見ました。一昔前は「恥骨結合離開」なんて言葉は認知されていなく、整形外科や産婦人科でもコルセットを渡されて「安静にしていなさい」で終わりというような状態だったそうです。
今では恥骨結合離開についての認知が広まり、トコちゃんベルトやリハビリ、体操法など紹介されています。
恥骨結合離開になってしまうと立つのも歩くのも痛みで困難になり、日常生活や赤ちゃんのお世話をするのも大変になってしまいます。
また、その状態で何とか大丈夫と過ごしてきた方は後々腰痛や冷え性、内臓の不調など様々な体の不具合で悩まされる方が多いです。
当院でもそんな産後の恥骨結合離開でお悩みのママさんに対して施術を行っております。オステオパシーの整体を受けることで骨盤のバランスが整い、痛みがなくなっていきます。日常生活や赤ちゃんのお世話も問題なく行えるようになります。
本記事ではそんな恥骨結合離開について解説していきます。当院で恥骨結合離開を起こして痛みでお悩みだったかたの骨盤がどのような状態だったのかを経験を元にお伝えしたいと思います。
産後の恥骨結合離開に伴う不調でお悩みの方は参考にしていただければ幸いです。
この記事を書いている私はオステオパシー歴7年、臨床歴9年、理学療法士【国家資格】を取得しており、総合病院で3年間勤務経験があります。
産後の不調でお悩みの方を改善してきた実績もありますので記事の信頼性に繋がるかと思います。
恥骨結合離開とは
骨盤の前側をつないでいる靭帯や軟骨が出産の際に力が加わり、靭帯や軟骨が引っ張られ恥骨の合わさり目(恥骨結合)が離れてしまう病態です。
恥骨結合離開が起こってしまうと、骨盤の前側(恥骨)に激しい痛みが起こります。
歩く、しゃがむ、立つといった動作も困難になることがあります。
恥骨結合離開になってしまうと、痛くて足を動かすことができないため、車イスで1か月近く過ごすことになってしまう方もいます。
恥骨結合離開に対する一般的な治療
多くの場合骨盤ベルトやリハビリなど保存療法が主体です。
余りにも重度な場合は固定する手術などが適応されるそうです。
当院に来られた恥骨結合離開方の骨盤の例
1か月間の入院生活をしても、歩こうとしても痛みで足が出ず、少し足を動かしただけで骨盤や股関節に痛みが出てしまうという方でした。
痛みのせいでゆっくりと小股で歩くしかないという状態だったことを憶えています。
その方の骨盤は上の図のようになっていました。
出産後開いた恥骨結合はくっついてはいるのですが、非常にズレてしまっている状態だったのです。
右の恥骨が下がったままで、座ったり、歩いたりするたびに恥骨のズレによって痛みが出てしまいます。
また、恥骨のズレだけでなく仙骨や腰椎が右に大きく捻じれていて、骨盤全体が捻じれを伴っています。
そのため、恥骨痛だけでなく腰痛や胃腸の不調も招いていました。
恥骨結合がズレている骨盤のゆがみは優しい整体で
このように骨盤全体が捻じれていて、恥骨がズレてしまっている場合によくある骨盤矯正やボキボキする整体はNGです。
産後の骨盤は普段よりも緩んでいる状態なので、無理に強い力を加えてしまうと骨盤にダメージを与えてしまいます。
ゆっくり適切な力で優しく調整する方法を選ぶようにしてください。
適切な処置を行えば、恥骨結合がズレてしまっていた方もしっかりと回復していきます。
1. 両足がしっかり地についている感じがする
2. 姿勢が良くなる
3. 呼吸が楽になる
4. 腰痛がなくなる
5. 歩いていても痛みが出なくなってくる
というような身体の変化やお声を頂いております。
しかしながら、しっかり骨盤が正しい位置に戻ったとしても注意が必要です。
一度離開しズレた恥骨結合はふとした拍子にまたズレやすくなってしまいます。
長時間歩くとまた痛みだしてしまう方もいます。
今まで骨盤がゆがみアンバランスな状態で身体を使っていたので、使えていない筋肉があります。それらを使えるようにして骨盤のバランスを良い状態に保つためのリハビリが必要です。
といってもそんな難しい内容ではありません。
軽いスクワットから初めて徐々に負荷を上げていけば十分です。
恥骨結合離開になってしまったら、大切にして欲しいこと
1. ご家族の方の理解
「歩けない」「立てない」「重いものは持てない」のは怠けている訳ではなく、本当に身体が痛くて辛くて無理なのだとご家族や周囲の方が理解してあげることです。
中には「私は平気だったからあなたがだらしないだけだ」なんていう昔気質な方が今でもいるみたいです。
あなたと私とでは体の作りが違うのです。そのような心無い言葉を言われたとしても傷つく必要はありません。
ご家族の方はぜひそのことを理解してあげてください。
新しい命を誕生させるという大仕事の結果傷ついてしまったのですから労わってあげてください。
2. 自分を責めないこと
赤ちゃんの世話ができない、このまま治らないのではないか、歩けないのではないかと不安でいっぱいかと思いますが、適切な処置を受ければ必ず良くなりますので安心してください。
3. リラックスすること
普段から痛みをこらえている状態が続いていると、気付いてみると身体をギュッと固く緊張させていたり、呼吸を止めていたり、呼吸が浅くなってしまっていることが多くなってしまいます。
身体の力を抜いて、リラックスして深い呼吸を心掛けておきましょう
4. ちゃんと骨盤の調整を受けること
施術を受けるのは産後1か月経ってから、悪露が終わってからで良いかと思います。
ボキボキしたりグイグイ捻るような施術は避けて、優しく調整していくれるところを選ぶと良いです。
5. 普段の姿勢に気を付ける
足を組む、膝を崩して横座り、片足に体重をかけて立つ、、、というような偏った姿勢をしないように
6. 適切なリハビリを続けること
しっかりと身体を調整し骨盤のバランスを保つためにも適切なリハビリやトレーニングを続けましょう。
まとめ
いかがでしたか?
恥骨結合離開に伴う痛みはとても不安になってしまうかと思います。
でも、適切な施術を受ければ必ず改善していくのでご安心ください。
家族や周りの方も、お身体の状態を理解して労わって接するようにして頂ければと思います。
この産後の恥骨結合離開を書いた人

丸井恒介(まるいこうすけ)
出身地 | 東京 |
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生年月日 | 1985年2月3日 |
国家資格 | 理学療法士 |
所属 | 全日本オステオパシー協会 日本オステオパシー連合 IOAJ (International Osteopathic Association of Japan) |
経歴 | 平成 21年日本リハビリテーション専門学校入学 日本リハビリテーション専門学校理学療法学科卒業 平成 25年医療法人社団河井病院勤務 平成 25年日本オステオパシー協会入会 |