
心と身体の相互作用は強力です。
その人の身体や健康状態に大きく影響することが分かっています。
しかし、このことを伝えても
「自分の感情が今の体の不調につながっているなんて信じられない」
「自分の腰痛は体が悪いだけで自分の感情と関係あるわけない」
「私がつらいのは~~のせいだからだ」
と頑なに何かのせいにして、自分のことに向き合おうとしない人もいます。
でも、その一方で、
「自分の考え方が今の体の不調を作っているとなんとなく感じている」
「なんとか自分の考え方も変えていかなければいけないと思う」
「腰痛が自分の怒りや不安から来ていると分かった」
「以前よりもイライラしなくなってきて気持ちも落ち着いてきた」
というように自分自身の思考や感情に少しずつ気づき、上手くコントロールできるようになっていく方もいます。
私自身も最初は自分の思考や感情が体の痛みや不調に関わっているなんて考えてもいなかったし、信じてもいませんでした。
ですが、自分の腰痛・ヘルニアや不調の経験とその時の精神状態を思い浮かべてみると、当時は自分のことを見つめるなんて出来ず、ただただメンタル的にも病んでいたなぁと振り返ることができます。
今回はそんな感情や思考が体に与える影響について解説していきます。
人体はまだまだ解明されていないことばかりです。人体の不思議さや神秘さに少しでも触れて欲しいです。
痛みや不調を何かのせいにしたりせず、謙虚に自分のことに向き合える人が少しでも増えて頂けたら幸いです。
この記事を書いている私はオステオパシー整体歴8年、理学療法士【国家資格】を取得しており、総合病院で3年間勤務経験があります。
医学的知識を有し、オステオパシー・ドクターから継続的に学んでいるので記事の信頼性に繋がるかと思います。
本記事の内容
情動の中枢
太陽神経叢
脳の情動の中枢は偏桃体にあります。
感情や思考は脳で感じると思いがちですが、実は脳だけではありません。
太陽神経叢(腹腔神経叢)は体幹の中央、心臓の下から胃の裏側にかけて広がる神経の集まりです。太陽神経叢からは腹部の臓器全てに向かって神経が伸びていて、胃や腸、肝臓、腎臓、膵臓など腹部臓器を支配しています。
太陽神経叢は単なる神経のあつまりではなく、腹にあるもう一つの脳だと言われています。情動は太陽神経叢で生まれ、中枢としています。
感情が不安定で情動に振り回されてしまう人が胃や腸などの消化器に不調を呈する場合が多いのはこのためです。
太陽神経叢は情動の中枢でもあり、腹部臓器への血液供給も支配しています。怒りや悲しみ、憎しみなどの感情が生じるとそれが臓器へも伝わり、血液供給が妨げられてしまうと言われています。
「頭では分かっていても実は腹の中では違うと感じている。」
このような経験はありませんか?
太陽神経叢で感じている判断が、実は脳の判断よりも正しいかもしれません。そこに従っていたらあなたの人生もまた違ったものになっていたかもしれません。
太陽神経叢のチャクラ
数千年前から古代の哲学者や聖者たち、そしてヨーガでは人体に「チャクラ」という7つのエネルギーセンターがあることを認めています。
その3番目のチャクラが「太陽神経叢」のチャクラであり、「マニプーラ・チャクラ」と呼ばれています。
このチャクラは消化器系の働きを調整するのはもちろんのこと、感情に深く関係していると言われています。
マニプーラ・チャクラのバランスが乱れると、感情的にも不安定になり、
・自分に自信が持てなくなる
・批判に対して敏感になる
・極端に人を恐れる
・攻撃的になりやすい
・支配的になりやすい
といった傾向がみられます。
実際に私が腰痛やヘルニアで苦しんでいた時というのは、理学療法士の学生で実習期間中が一番ひどかったように思えます。もともと腰痛が治らないことでの医者や病院への不信感がありました。それに輪をかけるように現場での理学療法士の在り方に疑問を憶え、常に私の中は疑問や不信感、怒りでいっぱいでした。
私の体験はこちらの動画を見てみてください。
感情体・メンタル体、生命場
これもヨーガの考え方ですが、人は肉体の上に感情体、メンタル体というようにエネルギーのフィールド(場)があると言われています。
このような人体が持つエネルギーフィールドは色々な学派や流派によって様々な名前がつけられています。エネルギーに関しても日本人では「気」と呼んでいたりしますよね。インド人では「プラーナ」と呼んだりしています。
オステオパシー医師であるフルフォード博士はエネルギー医学に注目し、人体のエネルギーのフィールドを生命場と呼びました。
感情が不安定になると当然エネルギーの感情体も乱れます。思考やメンタルが乱れるとメンタル体が不安定になります。
それが体に影響を与えてしまうのです。
私たちは体内の免疫システムが正常に機能することで体調のバランスが保たれています。ですが、感情や思考が著しくマイナスに偏ると脳内の作用からか体内の免疫システムまでダメージを与えてしまうことが分かっています。その結果、細菌やウイルスに対しての抵抗力を自ら弱めてしまうことになります。
思考や感情エネルギーが肉体のエネルギーと深く関わっていることが現代医学でも言われるようにはなってきています。
ヨーガでは肉体だけでなく感情体やメンタル体もバランスが取れていて、静かで透き通っている状態が理想だとされています。
想念は物質である
感情や思考のエネルギーが体に与える影響についてフルフォード博士の文章を引用します。
「感情的なまでにある想念パターンに執着していると、生命上のなかでその想念パターンが固着し始め、肩がさがる、片足が短くなる、まぶたがぴくぴくするなど、からだの反応の原因になる。それが一定期間続くとそれらのパターンが慢性的になり、からだのかたちが永久的にそこで固定してしまう。
いってみれば、思考や想念はそのまま物理的な結果につながるものである。だから、自分がなにを考えているか、その考えにもとづいてどう行動するかに、いつも注意している必要があるのだ。」
思考パターンや感情の在り方があなたのからだのゆがみや捻じれを形成しています。慢性的な身体の症状となって現れていることを意味しています。
体に痛みや不調がある時は、思考や感情の何かがあなたの肉体にダメージを与えているサインなのです。身体があなた自身に助けを求めているのです。
そうはいっても、自分の身体に無関心で常にイライラしてやたらと周囲に怒りをぶちまけて血圧の上昇を放置している人、更年期特有のイライラや不快感がひどくて家族に当たり散らして結婚生活が破綻してしまった人、常に誰かのせいにして自分のことを省みずただ人の眼ばかり気にして自分の正当性ばかりを主張している人、そんな方はたくさんいます。
そんな方たちは肉体が健康的に心も穏やかに生きられることはありません。
あなたはどう在りたいですか?どう生きたいですか?
まとめ
いかがでしたか?
思考や感情のエネルギーは体に深く関わっています。
それはあなたが否定しようとしまいと関係なく、切っても切り離せないものです。
痛みや不調が長引いてしまっている場合、あなた自身の感情や思考をないがしろにせず、ご自身と謙虚に向き合うことが大切だと感じています。
それは時には辛いことでもありますが、確実にあなたの助けになると思っています。
この感情と思考が体に与える影響を書いた人

丸井恒介(まるいこうすけ)
出身地 | 東京 |
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生年月日 | 1985年2月3日 |
国家資格 | 理学療法士 |
所属 | IOAJ (International Osteopathic Association of Japan) |
経歴 | 平成 21年日本リハビリテーション専門学校入学 日本リハビリテーション専門学校理学療法学科卒業 平成 25年医療法人社団河井病院勤務 平成 27年全日本オステオパシー学院卒業 平成 27年IOIAJ入会 ジム ジェラスD.O. トム シェーバーD.O. に師事 |