逆流性食道炎と不眠(睡眠障害)

「逆流性食道炎でげっぷが止まらず、夜が全然眠れない」
「夜も喉の違和感や胸がムカムカして一睡もできない」
「なんで逆流性食道炎になると夜眠れなくなってしまうの?」

 

そんな質問にお答えします。

 

逆流性食道炎は日本では頻度の低い病気でしたが、食生活の欧米化に伴い日本人でもこの病気になるかたが増えてきました。現在では成人の10~20%は逆流性食道炎になっていると推測されています。

 

そんな逆流性食道炎の症状の一つとして睡眠障害があります。

逆流性食道炎の方の半数が睡眠障害に悩まされているという報告もあります。
不眠が続いてしまうと日常生活や仕事にも大変支障が出てしまいます。

本記事ではなぜ逆流性食道炎になると睡眠障害になってしまうのか、夜間逆流してしまうとどんなリスクがあるのか、夜間の逆流を防ぐためにできることを解説していきます。

 

逆流性食道炎でお悩みの方に参考にして頂けたら幸いです。

この記事を書いている私はオステオパシー歴7年、臨床歴9年、理学療法士【国家資格】を取得しており、総合病院で3年間勤務経験があります。
逆流性食道炎の症状で悩まれる方を整体で改善してきた実績があるので、記事の信頼性に繋がるかと思います。

逆流性食道炎になると不眠に悩まされてしまうのは


逆流性食道炎は食道括約筋が一時的に緩むことで、胃の内容物が逆流してしまって起こります。

一時的な食道括約筋の弛緩によって日中も夜間も逆流が生じることが分かっています。

夜間でも胃の内容物や胃酸が食道内に逆流してしまうことで胸やけや痛み、呑酸といった症状が起きやすくなってしまいます。そのため、不快感から安眠できなかったり、夜中に何度も目を覚ましてしまうという睡眠障害が生じます。

 

夜間の逆流は食道にダメージが大きい

夜間横になっている姿勢だと逆流した胃酸が胃に戻りづらい状態になってしまいます。一度食道内に胃酸が逆流してしまうと長時間食道内に胃酸が残存してしまい、食道の炎症が進行しやすくなってしまうリスクがあります。

 

浅い睡眠の時に逆流が起きやすい

睡眠は浅い睡眠(レム睡眠)と深い睡眠(ノンレム睡眠)とに分けられます。
不眠や眠り足りなさを感じている人というのは深い睡眠に入れていないことが多いです。

逆流性食道炎で夜間に食道括約筋が一時的に緩むという現象が浅い睡眠状態(レム睡眠)の時に発生しているという報告があります。

つまり、睡眠の質が悪い、睡眠が浅い状態が夜間逆流を発生しやすい条件とも言えます。

 

夜間の逆流は過食や食後に発生しやすい

食道括約筋が一時的に緩むのは食後や過食時に発生しやすいと言われています。

食後3時間以内に就寝すると逆流性食道炎が発症するリスクが増大すると報告されています。

 

多くの人の場合、夕食後3時間以内に就寝時間になってしまうかと思います。

今は症状がない方でも食後3時間以内に就寝するという習慣がある方は逆流性食道炎が発生する可能性が高いです。

 

もともとの不眠が逆流性食道炎を招くことも


もともと不眠の方は就寝中に深い睡眠に入れず一時的な食道括約筋の弛緩が発生しやすいと言われています。
そのため、睡眠中に逆流が起こり、さらに睡眠障害が悪化してしまうという負のループに陥りがちです。

逆流性食道炎の方は不眠になりやすく、不眠の方もまた逆流性食道炎になりやすいです。

 

夜間の逆流を防ぐために


以上のことから夜間の逆流を防ぐために大切なことが2つあります。

 

1. 十分な睡眠をとること
2. 就寝3時間前の食事摂取を控えること

 

この2点がとても大切です。

 

1.十分な睡眠をとること

浅い睡眠が続くと逆流性食道炎を招きやすくなってしまいます。
深い睡眠がとれない原因はたくさんあるかと思います。仕事やストレス、家庭内の関係など頭を悩ます問題は多いかと思います。

リラックスする、適度に運動する、気分転換する、寝る1時間前はスマートフォンやパソコンを操作しないなどを心掛けるだけでも睡眠の質はぐっと上がります。

 

2.就寝3時間前の食事摂取を控えること

一番いけないのは夜遅くに脂っぽい食事(ラーメンやお肉など)をお腹いっぱい食べてしまうことです。
食後3時間以内に就寝する習慣は逆流性食道炎のリスクを高めてしまいます。また、肥満や高血圧、糖尿病など他の病気にも関わってきます。

 

就寝3時間前の食事は控えること。

 

例えば夜の24時に寝る方であれば21時からは食事しないように、23時に寝る方であれば20時以降は食事を控える。

このような生活習慣の指導は逆流性食道炎の方にはとても重要だと言われています。

 

まとめ

いかがでしたか?
睡眠障害と逆流性食道炎は互いに関係しあっています。
睡眠も大事ですし、逆流しないような身体になることも大切です。
そのためにも普段の生活習慣をあらためることは逆流性食道炎に悩まされている方にとっては助けになります。
まずは寝る3時間前には食事を控えるといった出来ることから始めてみてはいかがでしょうか?

 

参考文献
GERDと睡眠障害 ―夜間の酸逆流および食道内酸排出のメカニズム―
岩切勝彦 他
日本消化器病学会雑誌 第110巻 第6号

 

この逆流性食道炎と不眠(睡眠障害)を書いた人

プロフィール画像

丸井恒介(まるいこうすけ)

出身地 東京
生年月日 1985年2月3日
国家資格 理学療法士
所属 全日本オステオパシー協会
日本オステオパシー連合
IOAJ
(International Osteopathic Association of Japan)
経歴 平成 21年日本リハビリテーション専門学校入学
日本リハビリテーション専門学校理学療法学科卒業
平成 25年医療法人社団河井病院勤務
平成 25年日本オステオパシー協会入会
042-302-5447
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