
「数か月咳が続いていて、呼吸器科に行って色々検査して薬ももらったけど良くならない」
「逆流性食道炎って咳の原因にもなってしまうの?」
そんな質問にお答えします。
風邪の咳であれば通常1~2週間で改善されます。しかし、呼吸器科や内科に行って咳の薬をもらってもなかなか改善せず3週間、1か月、2か月以上も咳でお悩みの方もいらっしゃいます。
慢性気管支炎や咳喘息と診断されて、咳止めや気管支拡張剤などの薬を大量に処方されている方も多いのではないでしょうか?
効果のない薬を飲み続けることは体にとって良いことではありません。
そんな長引く咳の原因として逆流性食道炎・胃食道逆流症があります。
「え?食道?咳と関係ないじゃん」と思われがちですが、実は長引く咳の原因としてアメリカでは三大疾患のうちの一つにもなっています。
そんな逆流性食道炎・胃食道逆流症がなんで咳の原因になってしまうのかを解説していきます。
この記事を書いている私はオステオパシー歴7年、臨床歴9年、理学療法士【国家資格】を取得しており、総合病院で3年間勤務経験があります。
逆流性食道炎の症状で悩まれる方を整体で改善してきた実績があるので、記事の信頼性に繋がるかと思います。
本記事の内容
逆流性食道炎で咳が出てしまう理由
逆流性食道炎や胃食道逆流症はその病名の通り、胃酸や胃の内容物が食道に逆流してしまう状態です。
健康な人でもこの逆流はげっぷなどを通して普通に起きていますが、逆流を何度も繰り返してしまったり、逆流によって何らかの症状が起きたときにこの病名がつけられます。
胃液や胃の内容物が逆流することで食道がダメージを受けます。その食道の一番上の部分は、咽頭(いんとう)といって肺に繋がる気管の入り口と接しています。この咽頭まで胃液や胃の内容物が逆流してしまうと咳や嗄声(声がかれる)などの症状が現れてしまいます。
胃は強い粘膜によって胃酸から守られていますが、食道や咽頭にはそのバリアがありません。
繰り返す逆流によって咽頭や食道が胃酸に晒されてしまうことで炎症が起きてしまいます。
これが逆流性食道炎や胃食道逆流症で咳が出てしまう理由です。
アメリカでは慢性咳嗽(まんせいがいそう)の三大疾患のうちの一つ
日本の慢性咳嗽(まんせいがいそう)の三大疾患は、副鼻腔気管支症候群(ふくびくうきかんししょうこうぐん)、アトピー咳嗽、咳喘息(せきぜんそく)となっています。
ところがアメリカでは後鼻漏症候群(こうびろうしょうこうぐん)、気管支喘息、逆流性食道炎となっているのです。
これは人種の差か食生活の差か分かりませんが、日本でも逆流性食道炎の合併症として慢性咳嗽がある方は少なくないわけではありません。
恐らくアメリカ人の食生活が起因しているのではないかと思われます。
日本人でも食生活の欧米化に伴い逆流性食道炎に悩む方が増えてきており、今後逆流性食道炎に悩む方は増えると予想されています。
長引く咳で呼吸器への治療をしていても効果を感じられなかったら
あなたが3週間や1か月、2か月経っても咳が治まらないのであれば、逆流性食道炎・胃食道逆流症から咳が出ている可能性もあります。
逆流性食道炎・胃食道逆流症の場合、咳以外にも特徴的な症状があります。
・胸やけ、胸のむかつき
・げっぷが良く出る
・呑酸(すっぱくて苦い胃酸がこみあげてくる)
・のどに違和感がある
・食べ物が食べにくい
長引く咳に伴って上記のような症状があるのであれば、咳の原因が逆流性食道炎にあると疑っても良いでしょう。
逆流性食道炎に伴う咳は咳喘息の症状と類似しているので、なかなか鑑別するのが難しいのも特徴です。
また、もともと気管支喘息があって、逆流性食道炎と合併して影響してしまっている場合もあります。
自分に起きている症状や気づいたことを病院に行ったときにしっかり伝えると長引く咳の原因が早く分かりやすいかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたか?
食道とまったく関係ないと思われがちな食道ですが、実は長引く咳の原因になっている可能性があることがお分かり頂けたでしょうか。
呼吸器科に行ってもなかなか咳が改善しない場合、食道の問題が隠れているかもしれません。
逆流性食道炎に伴う症状がないかどうかだけでもチェックしておくといいかもしれませんね。
この長引く咳の原因は逆流性食道炎の可能性もを書いた人

丸井恒介(まるいこうすけ)
出身地 | 東京 |
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生年月日 | 1985年2月3日 |
国家資格 | 理学療法士 |
所属 | 全日本オステオパシー協会 日本オステオパシー連合 IOAJ (International Osteopathic Association of Japan) |
経歴 | 平成 21年日本リハビリテーション専門学校入学 日本リハビリテーション専門学校理学療法学科卒業 平成 25年医療法人社団河井病院勤務 平成 25年日本オステオパシー協会入会 |