
「医者からストレスが原因ですねと言われたけど、何でストレスがいけないんだろう?」
「最近ストレスから胃液が上がってきてしまう」
「逆流性食道炎はストレスでなってしまうの?」
そんな質問にお答えします。
一般的に逆流性食道炎の原因として「ストレス」と言われることが多いですよね。
当院に来られる方も医者から「ストレスが原因ですね」と言われたという方が多くいらっしゃいます。
「ストレス」とは言われるものの、何でストレスがあると逆流性食道炎になってしまうのか分からない方も多いかと思います。
本記事を読むことで、何でストレスがかかると逆流性食道炎になってしまうのか、ストレスがかかることで起こる身体の変化について分かることができます。
逆流性食道炎で「ストレス」が原因と言われてしまった方に参考にしていただければ幸いです。
この記事を書いている私はオステオパシー歴7年、臨床歴9年、理学療法士【国家資格】を取得しており、総合病院で3年間勤務経験があります。
逆流性食道炎の症状で悩まれる方を整体で改善してきた実績があるので、記事の信頼性に繋がるかと思います。
本記事の内容
ストレスと逆流性食道炎
ストレスが多いと逆流性食道炎になりやすいと言われていますが、一言に「ストレス」と言われてもなんだか漠然としていますよね。
ストレスは私たちが生きる上で適度な刺激を与え、必要なものですが、過度にストレスが掛かりすぎたり、その状態が長期間続いてしまうと次第に体に良くない変化が出てきてしまいます。
その身体の変化の影響で逆流性食道炎を招くリスクが高まってしまうのです。
「自分は平気」「自分は大丈夫」と思っている人ほど、その身体の変化に気づかず、どんどん身体が悪い方向に傾いてしまうので要注意です。
自分の身体に敏感になって大切にしてあげてくださいね。
では、長期的なストレスが身体にどのような変化をもたらすのか、それによってなぜ逆流性食道炎になってしまうのかを解説していきます。
ストレスで起こる身体の変化
自律神経のバランスが乱れる
長期間ストレス下にあると体はそれに抵抗するため、戦うために神経を尖らせます。
自律神経は戦うための交感神経とリラックスする副交感神経があります。
戦うための交感神経が常に優位になってしまい、常に身体が緊張した状態が続くことで様々な弊害が出始めます。
呼吸が浅くなる
体が戦う状態なので、呼吸がいつの間にか浅く早くなってしまいます。
深い呼吸をしないことで呼吸に関わる横隔膜や肋骨などの動きが悪くなり、固くなってきます。
逆流性食道炎は食道から胃につながる食道括約筋の機能不全によって生じます。
食道は横隔膜を貫いて胃につながっています。
横隔膜や肋骨の動きが悪くなってしまうと、それにつながっている食道にも影響を与えます。
食道の柔軟性が失われ、食道括約筋が正常に働かなくなる要因となりえます。
眠りが浅くなる(不眠)
逆流性食道炎で起こる食道括約筋の一時的な弛緩は睡眠が浅い時に起こると報告されています。
長期的なストレスの結果自律神経のバランスが乱れてくると、不眠などの睡眠障害が出る方も多いです。
夜ぐっすり眠れない、睡眠が浅い、そのような状態が続いてしまうと逆流性食道炎を招くきっかけになります。
血流・リンパの流れが悪くなる
呼吸が浅く、常に身体が緊張状態にあるので血管が細くなり、体に行きわたる血液やリンパの巡りが悪くなってしまいます。
体の様々な部位で慢性的な血液やリンパの滞りが起きてしまいます。
胃や食道への栄養血管や老廃物の排泄も妨げられて、胃や食道の働きが悪くなってしまいます。
内臓の働きが悪くなる
呼吸が浅く、肋骨の動きが悪くなると、腹部内臓の働きも悪くなり、内臓自体も疲労し固くなってきます。
胃や食道の働きが悪くなってしまうことはもちろん、腹部の圧が上がり、胃への圧も上がってしまうことから逆流しやすい胃の状態になってしまいます。
ストレスで逆流性食道炎になってしまうというのは上記のような理由があるからです。
これらの状態は1日2日でなるものではなく、1か月、3か月、半年、1年、3年というように長い時間をかけて身体にダメージを与えていきます。ある限界値を超えたら逆流性食道炎の症状となって身体に現れてきます。
突然悪くなるというものではないため、気付かないうちに身体が悪くなってきてしまっているという方が多いです。
ストレスによって二次的に起こる問題
また、ストレスを解消するために二次的にする行動が問題となります。
過食
緊張した交感神経を落ち着けるために、食事をすることで副交感神経を優位にさせようと働きます。
あなたはテレビで「芸能人の格付けチェック」というのを見たことがありますか?
あの時に有名なGacktさんやYoshikiさんが控室でやたらとお菓子を食べていた光景をご存知でしょうか?
あれは過度な緊張を緩和するために食事によってリラックスさせようとする行動なのです。
ストレス下で常に緊張状態にある身体をなんとかしたくて(本人はそうは思ってはいなくても)ついつい食べ過ぎてしまうという習慣が出来てしまいます。
過食は胃の圧を上げてしまい、逆流性食道炎になりやすくなってしまいます。
過食
脂っぽい食事
就寝3時間前の食事
これらは逆流性食道炎のリスクを大きく高めてしまうので注意が必要です。
喫煙・アルコール
喫煙やアルコールは胃や食道の粘膜を直接刺激してしまい逆流性食道炎になるリスクを高めてしまうと報告されています。
まとめ
いかがでしたか?
医者から「ストレス」が原因だと言われ、腑に落ちなかったとしても、ストレスがこれだけ体に悪影響を及ぼすのだということだけは知っておいていただければと思います。
ストレスによってすぐに逆流性食道炎になる訳ではなく、徐々に気付かないうちに身体が蝕まれていきます。そして、ある限界値を超えたところで症状となって身体に現れます。
普段から自分の身体の状態に敏感になって、無理せず適切にケアしていくというのが逆流性食道炎にならないためにも大切なことだと思います。
この逆流性食道炎とストレスを書いた人

丸井恒介(まるいこうすけ)
出身地 | 東京 |
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生年月日 | 1985年2月3日 |
国家資格 | 理学療法士 |
所属 | 全日本オステオパシー協会 日本オステオパシー連合 IOAJ (International Osteopathic Association of Japan) |
経歴 | 平成 21年日本リハビリテーション専門学校入学 日本リハビリテーション専門学校理学療法学科卒業 平成 25年医療法人社団河井病院勤務 平成 25年日本オステオパシー協会入会 |