
「逆流性食道炎に背骨の調整が良いと聞いて整体に行ってみたけど、全然改善しない」
「背骨の調整をしてくれる整体に2か月近く通ってみたけど、逆流性食道炎の症状が変わらない」
「背骨を調整しても逆流性食道炎には関係ないの?」
このような疑問は逆流性食道炎の症状にお悩みで実際に当院に来られた方から受けた質問です。
結論から言いますと、逆流性食道炎を改善するのに背骨の調整は必要ですが、背骨の調整だけでは不十分です。背骨に合わせて、頭蓋骨や肋骨、横隔膜、仙骨など身体全体を見ていく必要があります。そこには筋骨格系のゆがみや緊張以外にも自律神経のバランスが関わってくるからです。
逆流性食道炎を改善したいと思い、背骨を調整してくれる整体に行ったけど思ったような結果が得られなかった方は参考にしていただければ幸いです。
この記事を書いている私はオステオパシー整体歴8年、理学療法士【国家資格】を取得しており、総合病院で3年間勤務経験があります。
医学的知識を有し、オステオパシー・ドクターから継続的に学んでいるので記事の信頼性に繋がるかと思います。
本記事の内容
なぜ逆流性食道炎を改善するのに背骨の調整だけでは不十分なのか?
逆流性食道炎になってしまう原因は多岐に渡ります。
その中でも背骨のゆがみというのは原因の一つになります。
背骨がゆがんだり、捻じれてしまっていると食道の通り道にも影響が出たり、食道が通る横隔膜や食道括約筋の状態にも悪影響が出ます。
逆流性食道炎の症状を改善するのに背骨を調整することは必須ですが、背骨を調整する整体に行っても思うような効果を得られなかったという方がいるのも事実です。
それはなぜなのかを考えてみる必要があります。
逆流性食道炎の症状を改善するにはいわゆる背骨の調整だけでは不十分なのです。
逆流性食道炎の主要な原因部位として背骨以外にも頭蓋骨や肋骨、横隔膜、仙骨、そして自律神経の状態など多くの要素が絡んでいます。
背骨をいくら調整したとしても他の問題がたくさん残っていたら身体はなかなか回復していきません。
恐らく背骨を調整する整体を受けても逆流性食道炎の症状がなかなか改善しなかったという方は、身体のなかの他の様々な原因が見過ごされていた可能性が高いです。
背骨と自律神経のバランス
自律神経には活動するために働く交感神経と休むときに働く副交感神経の2種類がバランスを取って働いてくれています。
内臓への交感神経の働きは内臓の活動を抑えます。
交感神経が働いている時というのは、身体は活発に動きたい時です。そのため、内臓よりも筋肉により多くの血液を送りたいため、内臓への血流は抑えられます。内臓自体の活動を抑えることで逆に身体が動くようにしてくれているのです。
例えば、マラソン選手を思い浮かべてください。
走っている時に胃や腸などが活発に働いてしまったら、効率よく走ることができるでしょうか?
逆に内臓への副交感神経の働きは内臓の活動を活発にして消化や吸収を助けます。リラックスして身体が休まっている時に内臓への血流量が増えて、胃や腸の働きが活発になっていきます。
このような自律神経のバランスが適切に保たれていることで、人間は活動できるのですが、逆流性食道炎の症状でお悩みの方はこの自律神経のバランスにも乱れが生じてしまっています。
自律神経は背骨だけが関係しているのではない
背骨からは内臓への交感神経が出ています。
ですが、内臓への副交感神経は頭蓋骨や仙骨から出ています。
背骨への施術は交感神経の働きを落ち着かせることができます。ですが、副交感神経に対しても働き掛けないと自律神経系のバランスが取れません。
内臓への副交感神経は頭蓋骨や仙骨から出ていますので、そちらの調整もしていく必要があるのです。
また、背骨を調整すれば交感神経系の働きを落ち着かせることがある程度はできますが、交感神経の幹となる交感神経幹は背骨と肋骨の間を通っています。
このような解剖学的構造からも、交感神経にアプローチする際でも背骨の調整だけでは不十分だと言えます。
実際に逆流性食道炎の症状でお悩みの方は、背骨だけでなく肋骨にも多くのゆがみや捻じれの問題を抱えている方が大半です。また、頭蓋骨や仙骨に問題を抱えて居るかたも多いです。
だから普段から肩もこるでしょうし、背中に張りや痛みを感じてしまうのです。腰痛をもともとお持ちの方も多いです。
しっかりと身体全体を見てくれる整体に
「整体に行って背骨を調整してもらったけど逆流性食道炎が治らなかった」
そう思って身体を良くしてあげることをやめないで欲しいのです。
逆流性食道炎を改善するには背骨だけでなく身体全体の関りを見ていく必要があります。
背骨を調整する整体を受けても改善しなかったのは他の多くの問題を見過ごされてしまっているからです。
逆流性食道炎の症状をお持ちで、薬に頼らずしっかりと改善したいと考えている方は、身体全体を見て自律神経との関係も熟知している先生のところにいかれると良いでしょう。
私個人としてはオステオパシーをしっかり学んでいる先生を選ぶことをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか?
逆流性食道炎の症状を改善するのに背骨の調整だけでは不十分だということを知っておいていただければと思います。
当院に来られた方でもあなたと同じようなお悩みをお持ちでした。
あなたも同じようにお考えでしたら、整体で背骨の調整を受けてもダメだったと体を良くしていくことをやめないで欲しいです。
見過ごされてきた問題を解消していけば、自然と身体は回復し、逆流性食道炎の症状も治まっていきます。
この逆流性食道炎で整体に行き背骨の調整を受けたけど改善しないのはなぜ?を書いた人

丸井恒介(まるいこうすけ)
出身地 | 東京 |
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生年月日 | 1985年2月3日 |
国家資格 | 理学療法士 |
所属 | IOAJ (International Osteopathic Association of Japan) |
経歴 | 平成 21年日本リハビリテーション専門学校入学 日本リハビリテーション専門学校理学療法学科卒業 平成 25年医療法人社団河井病院勤務 平成 27年全日本オステオパシー学院卒業 平成 27年IOIAJ入会 ジム ジェラスD.O. トム シェーバーD.O. に師事 |