
「痔があるけど軽度だし病院も行きたくないし自分でなんとか治したい」
「手術は絶対にしたくない」
「ジョギングやスクワット頑張っているけど中々良くならない」
痔を自分で治すためのセルフケア方法を前回お伝えしました。
前回お伝えしたセルフケア方法、ジョギング、スクワットなど頑張っているけど少し良くなっては来ているけど、また切れたりいぼが出てきてしまったりするというご意見を頂きました。
今回はさらに痔を自分で治すために必要な考え方深掘りしていきます。
そして必要なエクササイズをお伝えしていきますので、いぼ痔・切れ痔を自分で治したいという方はぜひ参考にしていただければ幸いです。
この記事を書いている私はオステオパシー整体歴8年、理学療法士【国家資格】を取得しており、総合病院で3年間勤務経験があります。
私自身もいぼ痔・切れ痔に悩み、排便時に切れて血が出たり、いぼがボコッと飛び出していた時期もありました。病院に行くことや手術は絶対にしたくなかったので、自分で頑張って治しました。いまは切れることもいぼが出ることもありません。
痔を改善するために必要な身体の知識
前回隔膜のことをお伝えしましたが、またあらためて分かりやすく解説します。
痔は肛門周囲の筋肉が固くなり血液循環が悪くなってしまうことで起こると考えられています。
肛門周囲の筋肉は別名「骨盤隔膜(こつばんかくまく)」と言います。隔膜(かくまく)というのはその名の通り横に隔てる膜のことを言います。
このような体を横に隔てる膜が人体には4つあります。
頭にある「小脳テント」
胸の上部の「上胸隔膜」
肺の下にある「横隔膜」
そして肛門周囲の「骨盤隔膜」
この4つの隔膜が痔を改善していく上でとても重要なポイントになってきます。
また、この隔膜の部分は「ジンクの筋膜パターン」と関連していますので、ジンクパターンに興味がある方はこちらの記事をご覧ください。
4つの隔膜は呼吸と同調して動いています。
横隔膜を例にすると分かりやすいかと思います。
息を吸う時に横隔膜は下がります。息を吐くときに横隔膜は上がってきますよね。
この横隔膜の上下の動きと一緒に他の3つの隔膜も動いています。もちろん骨盤隔膜もです。
つまり、横隔膜の動きが悪くなってしまっているということは他の隔膜にも影響を及ぼしてしまうということです。
痔がある方は間違いなく骨盤隔膜は固くなってしまっていますが、それ以外にも横隔膜や上胸隔膜など固くなってしまっていることが多いです。
私がいぼ痔・切れ痔になっていた時はひどい腰痛・ヘルニアを患っていました。当然ながら骨盤や腰の骨、胸周りの肋骨や背骨などにゆがみや捻じれがありました。
あなたも痔だけでなく、肩こり、首の痛み、背中の張り、腰の痛みなど抱えていませんか?
このような体全体の状態が骨盤隔膜を固くし、痔になりやすい身体の状態を作っているのです。
また、この隔膜は血液やリンパの還流を促す役割があります。
隔膜の動きが悪くなると血流・リンパ流など体液循環が悪くなってしまうため、痔が修復するのを妨げる要因になってしまいます。
隔膜の固さや捻じれを改善するエクササイズ
今回お伝えするのはこの隔膜の状態を良くするエクササイズです。
このエクササイズをしっかり行うことで隔膜の固さや捻じれが改善していきますので、ぜひ実践してみてください。
上胸隔膜と横隔膜のエクササイズ
肩幅くらい足を開いて立ってください。
両腕を左右に水平に上げて、右手の平は下、左手の平は上を向けてください。
この状態でゆっくり深呼吸をします。
最初は1分くらいこの姿勢を続けましょう。出来るようになってきたら2分、3分と時間を伸ばし、目標は6分くらいを目指して行いましょう(この体操を考案したフルフォード博士は10分やるといいと言っていますが、本人も8分以上はできないと言っています。)
腕が疲れてこれ以上保てなくなったら、腕をまっすぐに伸ばしたまま、ゆっくりと頭の上に上げていきます。上にあげたまま深呼吸をしてゆっくり両腕を下げます。
骨盤隔膜のエクササイズ
仰向けになって、先ほどお伝えしたエクササイズと同様に両腕を真横にして右手の平は下、左手の平は上にします。
次に膝をあまり曲げないようにして、片脚を身体の反対側に投げ出して両脚を交差させます。投げ出した脚は無理に力を入れることなく、一番楽な状態でとどめておきましょう。このまま5分程度静かに深呼吸しましょう。
ゆっくりと戻して反対側も行ってください。
1日1回はこのエクササイズを行うと良いでしょう。
これらの体操を普段のジョギングやスクワット、食事管理に加えて行うことであなたのお尻の状態も良くなっていくことでしょう。お尻の状態だけでなく身体の状態や体液循環も改善していきますので、身体が軽くなっていくことを感じられるかもしれません。
因みに小脳テントはあなたが何かしようとする必要はありません。
小脳テントはとても繊細な部分です。
下の3つの隔膜が整ってくると自然と小脳テントにもいい影響が出てきますので問題ありません。
動画でエクササイズを紹介しているのでご確認ください。エクササイズは7:45から
どれくらいで改善する?
いぼ痔・切れ痔は長引けば長引いているほど、改善まで時間がかかります。私自身20代後半でいぼ痔・切れ痔を経験しましたが、改善するのに1か月ほどかかっています。
30代40代と年齢が上がるにつれ身体の回復力というのは衰えてきます。2~3か月、半年、1年と長い目で取り組むようにしてください。
焦らず地道に取り組めば少しずつ身体が変わってきて、お尻の状態も良くなっていくと期待できます。
それでもなかなか良くならない、改善しない、早く良くしたいという方は、しっかりと身体の状態を専門かにチェックしてもらうといいでしょう。
オステオパシーをしっかり学んでいる先生に見てもらうことをおススメします。
まとめ
いかがでしたか?
痔は肛門周囲だけの問題ではなく身体全体が影響しています。
今回お伝えしたのは身体全体の状態を良くし、隔膜の固さや柔軟性を上げていくものです。
たくさんの良い恩恵を受けられると思いますので、ぜひ実践してみてくださいね。
このいぼ痔・切れ痔を自力で治すために必要な考え方とエクササイズを書いた人

丸井恒介(まるいこうすけ)
出身地 | 東京 |
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生年月日 | 1985年2月3日 |
国家資格 | 理学療法士 |
所属 | IOAJ (International Osteopathic Association of Japan) |
経歴 | 平成 21年日本リハビリテーション専門学校入学 日本リハビリテーション専門学校理学療法学科卒業 平成 25年医療法人社団河井病院勤務 平成 27年全日本オステオパシー学院卒業 平成 27年IOIAJ入会 ジム ジェラスD.O. トム シェーバーD.O. に師事 |