
「一瞬で腰痛を根本から解消するストレッチ」
「坐骨神経痛はこれをするだけで解消」
「たった30秒で自律神経失調症を改善する方法」
あなたはこのような文章や動画を見たことはありませんか?
そして、動画のように真似してみても余り効果を感じない。むしろ症状が悪化してしまった。
そんな方がたくさんいます。
結論から言ってしまうとこのような表現は人目を引くために使われています。人目を集められればいいので、中身が伴っていようがいまいが関係ないのです。
つまり、誇張した表現なんですね。
普通に考えたら「腰痛を一瞬で根本から解消するストレッチ」なんてあったら、誰も腰痛に困ることはありませんし、それを伝えている整体師さんも仕事が成り立たなくなってしまいます。
今回はなんで整体師はそんな表現をしてしまう人が多いのか?誤った情報から身体を痛めないためにも身体を良くするために知っておきたい本質的なことをお伝えしたいと思います。
この記事を書いている私はオステオパシー整体歴8年、理学療法士【国家資格】を取得しており、総合病院で3年間勤務経験があります。
医学的知識を有し、オステオパシー・ドクターから継続的に学んでいるので記事の信頼性に繋がるかと思います。
本記事の内容
一瞬で腰痛を根本から解消する、たった30秒で、、、、○○するだけ
なぜ整体師の多くはこのような表現を使ってしまうのでしょうか?
冒頭でもお伝えした通り、このような表現は人目を集めるための一種のテクニックなのです。
もともとこのような表現は商品を販売するために使われていました。
例えば、「レンジで一分」「ボタンを押すだけで自動洗濯」などのように分かりやすく製品の特長を伝えていました。
それ以外にも自己啓発やマーケティングでは「一瞬で悩みを解決する方法」「一瞬で大切なことを伝える技術」というようにいかにも人目を引くような表現が生まれてきました。
このような表現だったらまだ良いのですが、例えば「一瞬で大金持ちになる方法」「1日たった5分○○するだけで年収3000万に到達する方法」なんてあったら途端に胡散臭くなりますよね。
で、実際中身は詐欺みたいなものなのです。
こういった表現方法が整体業界にも入ってきてしまったのが始まりです。
人目や注目を引いて集客したいからという考えのもと、「一瞬で、、、」「たった30秒で、、、」「○○するだけで」というような表現が蔓延してしまったのです。
機械や製品だったらいいけど
電化製品のような機械や化粧品などの製品だったら、商品の質や機能も一定で「ボタンを押すだけ」っていう表現でも何の誇張もなく不自然さもなくて良いですよね。
ですが、自己啓発やお金に関わることになると何だか怪しさが増します。
自己啓発だと人によって考え方や思考パターンが違うし、悩んでいる内容や悩みの深さも違います。
全員が全員一瞬で悩みを解決する方法なんてありません。
整体も同様なんです。
一人ひとり体も症状も、体の使い方やどんな経歴があるのか違います。
人の身体は機械ではないのです。
知っておきたい体の本質
例えば「腰痛」であったとしても人それぞれ症状の出かたは違うし、痛む部位も異なります。
どれだけの期間腰痛だったのかも違います。
なにがきっかけで腰痛になったのかも違います。
普段どんな生活をされているのかも違います。
どんなスポーツをしてきたのか、今までどんなケガをしてきたのかも違います。
どんな考え方をしているのか、どんな思考の癖があるのかも違います。
どんな生まれ方をしてどんな成長をしてきたのかも違います。
ただ単に「腰痛」であったとしても原因は人それぞれで症状も何もかもが違い、誰一人として同じ腰痛の人はいません。
みんながみんな同じ「腰痛」ではないのです。
「腰痛」と言っても、昨日今日ですぐに腰痛になるのではありません。
今までの生活や行動、習慣の積み重ねから腰痛になるのです。
よく例えられるのですが、痛みや不調がある身体というのは今までのローン(負債)を抱えているようなものなのです。
悪い癖や体の捻じれが積み重なって起きている腰痛を少しストレッチをして解消することなんて僕には無理です。
僕自身もたくさんのストレッチや体操を試みたけども、自分の腰痛・ヘルニアを治すことは出来ませんでした。
動画を見てストレッチをしてみて逆に身体を痛めてしまう方が多いのは当然のことで、そのストレッチがあなたの身体の状態に合っていないからなんです。
動画を作っている人はあなたの身体を知らない
動画を作っている人はあなたの身体のことなんて知りませんし、気にもしません。なぜなら人目を集めることが目的ですから。
注意が必要なのは、やってみて効果が無くても、害が出なかったらまだ良いです。ですが、明らかに間違った方法を伝えているような動画もあるということです。
「ばね指は冷やして反らしたほうが良いと言っていて試してみたら余計に悪化した」
「胸郭出口症候群の治し方で小胸筋を伸ばせばいいとやってみたら、しびれや痛みが増してしまった」
「腰痛を改善するストレッチをやってみたけど、次の日に腰がめちゃくちゃ痛くなっていた」
なんてことは当院に来られる方からも良く聞く言葉です。
つまりは、そういうことなんです。
今回お伝えしているような表現や過剰な表現を使っている動画というのは避けたほうが、あなたの身体を守ることに繋がるかと思います。
体を良くするためにあなたが今から出来ること
じゃあ、どうしたらいいの?と思ってしまう方に今日からすぐに出来る方法をお伝えします。
それは自分の身体を観察することです。
仰向けでも座ってもいても、立っていても構いません。
リラックスした状態でいてください。
眼を閉じて深呼吸を数回してみましょう。
ゆっくりと気分を落ち着けてください。
体を観察してみてください。
体のどこかが緊張していないか、こっていないか感じてみてください。
呼吸が深く吸えているのか感じてみてください。
体のどこかに重さを感じるかもしれません。
なんとなく左右差を感じるかもしれません。
しくしくと痛みを感じるかもしれません。
もしかしたら体を観察している時に何か考え事をしてしまうかもしれませんね。
考え事をしていてそこに気づいたらまた自分の呼吸に戻りましょう。
そして体を観察して、呼吸をしてください。
これを続けているといつの間にか緊張していた部分がなくなっていたり、体の左右差が減っていたり、なくなっていたりします。
あなたの身体の歪みや捻じれにも気付けるかもしれません。
それがあなたの身体が良くなるための第一歩です。
最低でも5分以上続けてください。
10分、20分と続けてみると体が楽になっていることに気づくでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
人の身体は機械ではありません。人それぞれ症状が出ている原因やきっかけは違い、体も経歴も何もかもが違います。
安易な表現に引っかかって身体を痛めてしまわないように、しっかりと自分の身体を見つめられるようになって頂けたら幸いです。
この「一瞬で、、、」「○○するだけで、、、」「たった30秒で、、、」それでは身体は変わらないを書いた人

丸井恒介(まるいこうすけ)
出身地 | 東京 |
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生年月日 | 1985年2月3日 |
国家資格 | 理学療法士 |
所属 | IOAJ (International Osteopathic Association of Japan) |
経歴 | 平成 21年日本リハビリテーション専門学校入学 日本リハビリテーション専門学校理学療法学科卒業 平成 25年医療法人社団河井病院勤務 平成 27年全日本オステオパシー学院卒業 平成 27年IOIAJ入会 ジム ジェラスD.O. トム シェーバーD.O. に師事 |