
「骨盤矯正なんて効果ないって言われているけどホントなの?」「骨盤は歪むって聞くけど、歪んだら身体に悪そうな気がして心配」「骨盤矯正って本当のところ何が正しいの?」
美容や産後のヘルスケアとして「骨盤矯正」というのは既に言葉として定着していますよね。
骨盤が歪むことで、全身のバランスが崩れて肩こり・腰痛、冷え性など不調の原因になってしまうと言われていたりします。
そんな骨盤矯正ですが、医療従事者からは医学的に見て根拠がない、造語にすぎないと言われています。
一方、整体や整骨院ではビフォーアフターの写真があったり、受けた人の感想があったりとその効果を謳っています。
一般の方からしたら、いったい何が正しいのか分かりませんよね。
そんな骨盤矯正のウソ・ホントについて本記事では解説していきたいと思います。
この記事を読むことで骨盤矯正の真実、医師や医療従事者からは骨盤矯正はどのように映るのか、骨盤矯正をしたいならどんなところを選べばいいのかについて分かるようになります。
この記事を書いている私はオステオパシー歴7年、臨床歴9年、理学療法士【国家資格】を取得しており、総合病院で3年間勤務経験があります。
医学的知識も有しているため、記事の信頼性に繋がるのではと思います。
本記事の内容
動画でも解説していますので良かったらご視聴ください。
骨盤矯正の真実
まず骨盤矯正の大前提をお伝えしますね。
残念ながら、「骨盤矯正」は造語です。
誰が言い出したのかは分からないのですが、整体業界が生み出した造語で、医学的でもなんでもありません。
だから、科学的根拠(エビデンス)もありません。
医師や医療従事者が否定するのも無理がありません。
整形外科に行って理学療法士に見てもらえば、身体のプロだから骨盤矯正もしてくれるなんて記事を見かけましたが、そんなのウソですよ。
医学的に根拠がないのですから、骨盤矯正なんて専門学校でも学びませんし、卒後も学びません。(私も骨盤矯正を専門学校で学んでおりません)
学びたいのなら整体の学校や教えているところに行って学ぶしかありません。
そんなわけですから、骨盤矯正に効果があるかと言われても、何とも言えないのが正直なところです。
因みに「骨盤矯正」という言葉が蔓延しているのは日本だけで、海外ではそんな言葉ないようですよ。
こんな骨盤矯正は危険
基本的に骨盤矯正を謳っているチェーン店や整骨院は、骨盤矯正をルーティン化した施術で行っているところが大半です。
軽く全身マッサージして、身体を右に捻ってボキッ、左に捻ってボキッ、これで骨盤矯正しました! なんて施術を受けていたら残念ながら大ハズレな施術です。
関節を捻って鳴らすという行為は関節にとても負担をかけてしまい、神経を痛めてしまうリスクがあります。
このような骨盤矯正の施術が多いから医師や医療従事者から否定されてしまうのではないかと思います。
医師たちが言う骨盤の問題の原因は
骨盤矯正を否定している医師はなんていうかというと「仙腸関節」が問題だと提唱しています。
仙腸関節のズレや引っ掛かりが腰痛や産後の腰痛の問題だと言っていて、医学的なデータもあるそうです。
そこで生まれてきたのがAKAという手法ですね。
仙腸関節のズレや引っ掛かりを解消すれば腰痛が改善するということを謳っております。
ここからは私の意見になりますが、仙腸関節のズレや引っ掛かりも確かに大切ですが、AKAを何度受けても改善しないという方のお身体の状態を見てみると骨盤がひどく捻じれていたなんてことも良くあります。
医師が言うから全て正しいと思うのは余り良くないかもしれませんね。
骨盤って大切
色々と書いてきましたが、結局のところ「じゃあ、いったい何が正しいの?」と思ってしまうかもしれませんね。
私は骨盤矯正は行いませんが、骨盤はしっかり見て調整します。
やっぱり骨盤って大切なんです。
オステオパシーでも骨盤は人体の土台と考えています。
そして、骨盤は仙腸関節も重要ですが、骨盤の上下に続くつながりも重要視しています。
土台となる仙骨の上には背骨が乗っています。
寛骨には股関節があり、下肢が続いています。
背骨・骨盤・股関節、そこにたくさんの筋肉や筋膜・靭帯によって繋がりが保たれています。
ということはそれぞれが影響し合うということですよね。
背骨が捻じれていたり、丸まっている人は仙骨に影響が出て骨盤が捻じれていきます。
膝や足・股関節に問題を抱えている人は骨盤や背骨に影響が出ます。
これが骨盤矯正やAKAでは改善しないという理由です。
身体のつながりを無視して「骨盤」「仙腸関節」だけに注目していても、本当の解決には至らないのです。
骨盤が歪むとは
「整体に行って骨盤が歪んでいると言われて心配になり、整形外科でレントゲンを撮ったら歪んでいないと言われた」
というようなエピソードをお持ちの方がいます。
整形外科ではレントゲンによって骨盤の骨の形を見ます。
他の整体では分かりませんが、私が見ている骨盤の状態は
寛骨の位置関係
仙腸関節のずれ
仙骨の位置
骨盤隔膜の固さ
骨盤全体の筋膜の捻じれ
などを総合して骨盤の状態を把握します。
明らかに骨盤に捻じれがある方でも、整形外科でレントゲンを撮ったら異常なしと言われてしまうかもしれません。
なぜ、そのようなことが起こるのでしょう。
骨盤を触れて検査するときには骨の位置関係はもちろんのこと、筋肉の硬さや筋膜の捻じれも見ます。
そのような細かな捻じれはレントゲン上では映りません。(細かく計測すれば左右差はあらわれるでしょうが、そんなことはしてくれないでしょう)
私がオステオパシーの学校に行っていた時にはレントゲンでの骨盤のズレを計測する方法や、オステオパシー施術を行うことでそのズレが軽減・解消したというような報告もたくさんあるようです。
医師が骨盤は歪まないと言っているのは、骨盤の骨は歪まないと言っているのに過ぎません。
骨自体は歪まないかもしれませんが、様々な影響で骨盤は捻じれます。
捻じれるという表現の方が適切なのかもしれませんね。
こんな骨盤矯正を選んでね
最後に骨盤の状態を良くしたい、骨盤矯正を受けたいという方はこんな整体を選ぶと良いですよというのをお伝えします。
基本的に「骨盤矯正」を謳っている整体や整骨院は、最初に書いたようにルーティンのような施術をするだけですので、おすすめしません。
一番は身体全体をしっかりと見てくれるところです。
身体全体を見なければ、骨盤だけ仙腸関節だけというように、身体のつながりを無視したことになってしまいます。
それでは本当の解決には至りません。
骨盤も良い位置には戻りません。
ボキボキしたりグイグイ押したりするところではなく優しい施術で行ってくれるところが良いでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
「骨盤矯正」についての正しい知識を知って頂けたら幸いです。
骨盤は身体全体のつながりの一部です。
骨盤の状態を良い位置に保つことと言うのはあなた自身の健康にとって、とても有益なことです。
身体にとって正しい骨盤矯正をしてくれるところに巡り合えると良いですね。
この骨盤矯正のウソ・ホント【理学療法士が解説します】を書いた人

丸井恒介(まるいこうすけ)
出身地 | 東京 |
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生年月日 | 1985年2月3日 |
国家資格 | 理学療法士 |
所属 | 全日本オステオパシー協会 日本オステオパシー連合 IOAJ (International Osteopathic Association of Japan) |
経歴 | 平成 21年日本リハビリテーション専門学校入学 日本リハビリテーション専門学校理学療法学科卒業 平成 25年医療法人社団河井病院勤務 平成 25年日本オステオパシー協会入会 |