
丸井恒介です。
先日YouTubeのコメントでこのような質問を頂きました。
身体の痛みで病院や整形外科に行ってレントゲンやMRIなどの画像検査をしても異常が見つからず湿布や痛み止めの薬を出されて終わり。という方は意外と多いのではないでしょうか。
今回はCTやレントゲンなどの画像検査をしても異常がないと言われてしまうのは何故なのか?そして胸肋部の痛みはどのようなことが原因となっているのか、どうしたら改善していけるのかについて解説していきます。
この記事を書いている私はオステオパシー整体歴9年、理学療法士【国家資格】を取得しており、総合病院で3年間勤務経験があります。
病院では原因が分からないと言われた痛みや不調の方を改善してきた実績がありますので記事の信頼性につながるかと思います。
CT、レントゲン、MRI、画像検査でわかる範囲
CTやレントゲン、MRIなどの画像検査でわかるのは、はっきりとした病変です。
例えば骨折、骨の変形やヘルニア、神経への圧迫、脊柱管の狭窄、脳や内臓の異常(腫瘍や梗塞など)などは診断することが出来ます。
ですが、痛みの原因となっている身体のゆがみや捻じれ、筋膜の捻じれ、筋肉の緊張などに関してはいくら画像検査をしても分からないことが多いです。
分からないというよりも細かすぎて見つけられないというのが正しいかもしれません。
少し曲がっているかな、歪んでいるかな、左右で1ミリ2ミリくらいズレがあるかな程度は画像上でも分かるかもしれません。
ですが、病院ではそんな細かな左右差をいちいち計測したりする時間もないし、細かなズレが明確な原因とも言い切れるものでもありません。
なので異常が見つからないと言われて終わってしまうことが大半なのです。
胸肋部に痛みが出てしまう原因
胸肋部は胸骨と肋軟骨、そして肋骨とのつながり(関節)から成り立っています。肋軟骨部分は軟骨だけあって普通の骨よりも柔らかく弾性があります。なので、肋骨のゆがみや捻じれの影響を色濃く受けてしまうと言っても過言ではありません。
少し肋骨にゆがみや捻じれが生じていてもそれが肋軟骨部にストレスを与え、胸骨と肋軟骨部の関節(胸肋関節)や肋軟骨部と肋骨の接合部にズレやゆがみが生じてしまいます。
このような状態が続き、胸肋関節や肋軟骨と肋骨の接合部に微細な損傷が続くことで痛みが出てしまうのです。
損傷が激しくなってくると炎症が起きてきて、病院で肋軟骨炎と診断された方もいるかもしれません。
問題は胸肋部だけにあるのではない。
ここで大切な話をします。
胸肋部の痛みは胸肋関節や肋骨と肋軟骨の接合部のズレや微細な損傷が原因です。
問題は痛みが起きている胸肋部にあると考える方が大半でしょう。
ですが、身体全体のつながりや解剖学的な仕組みを理解しているとそう単純ではないことが分かります。
胸肋部にストレスを与えてしまう肋骨なのですが、その肋骨は胸肋部の背部にある背骨と関節しています。
つまり、背骨のゆがみや捻じれがそのまま肋骨に影響を与え、それが胸肋部にまで波及してしまうのです。
痛みが出ているのは胸の前側ですが、実はその問題を作っているのは背骨にあることがほとんどです。
そして背骨にゆがみや捻じれがあるとすると、背骨をゆがませてしまう他の原因がたくさん隠れているのです。例えば、骨盤のゆがみだったり、股関節や膝関節など土台となる部分のゆがみや捻じれです。
つまり、身体全体のバランスが影響して、結果として胸肋部にストレスがかかってしまっているのです。
肋骨の問題は癖になりやすいです。
胸肋部に痛みが出てしまっているということはそれだけ、常日頃からの姿勢が影響しているのです。
胸肋部に痛みを招く姿勢
デスクワークをしていて常に猫背で丸まっていませんか?
横向きに寝て肩肘を立てていることが多くありませんか?
スマホを長時間操作して丸まっていませんか?
足を組んで長時間座っていませんか?
横座りをして身体をねじっていませんか?
上記はほんの一例ですが、あなたが普段している姿勢が身体をゆがませ、背骨や肋骨に問題をつくり、胸肋部にストレスを与えてしまっています。
どうしたら胸肋部の痛みが改善できるか?
一番は問題となっている身体のゆがみや捻じれを解消することです。
肋骨や背骨だけでなく、それにかかわる身体全体のバランスを整えていく必要があります。
病院の画像検査で異常がないと言われても諦めないでください。
オステオパシーをしっかりと学んでいる身体のプロであれば、あなたの身体のどこに問題があるのかを触診によって的確に見つけることができます。
施術にも注意が必要です。
背骨や肋骨は交感神経が通っている部分でもあるのでむやみに強い刺激はNGです。優しく無理ない施術で整えてくれる技術を持っている整体が望ましいです。
肋骨は癖になりやすい部分なので、改善するまで時間がかかる場合も多いです。
早く改善するためにもあなた自身も普段の生活習慣や姿勢に注意して自分のどんな姿勢が胸肋部にストレスを与えてしまっているのか見直し、注意していくと良いでしょう。
身体を整え、普段の姿勢を注意し、その積み重ねによって胸肋部にかかるストレスが減り、痛みが減ってくるでしょう。
まとめ
今回の内容をまとめます。
・胸肋部の痛みは胸肋部だけが問題ではない。
・胸肋部にストレスが加わる原因は背骨や肋骨、骨盤など身体全体が影響する。
・胸肋部にストレスを与えてしまう普段の姿勢に注意する。
・しっかりと身体全体を見て、優しく整えてくれる整体が望ましい。
胸肋部の問題は癖になりやすく、痛みがある期間が長引けば長引くほど、改善まで時間がかかるようになってしまいます。
自分で身体のどこに問題があるのかを見つけることは至難の業です。早めに身体全体をチェックしてもらい、背骨や肋骨をはじめとして身体全体のバランスを回復させることが大切です。胸肋部の痛みでお悩みの方はいつでもご相談ください。
この「胸の真ん中が痛い」胸肋関節の痛み。その原因と対策を書いた人

丸井恒介(まるいこうすけ)
出身地 | 東京 |
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生年月日 | 1985年2月3日 |
国家資格 | 理学療法士 |
所属 | IOAJ (International Osteopathic Association of Japan) |
経歴 | 平成 21年日本リハビリテーション専門学校入学 日本リハビリテーション専門学校理学療法学科卒業 平成 25年医療法人社団河井病院勤務 平成 27年全日本オステオパシー学院卒業 平成 27年IOIAJ入会 ジム ジェラスD.O. トム シェーバーD.O. に師事 |