
「潰れた椎間板が神経を圧迫しているから痛い」
ヘルニアや脊柱管狭窄症で整形外科に行くと、このように説明を受ける方が大半なのではないでしょうか?
そうすると神経の圧迫を取るしか痛みやしびれを解消する方法はないと思ってしまいます。
でも、それは大きな間違いなのです。
朝起きれないほどの両脇から膝にかけての腰の痛みが出てしまい、整形外科に行きヘルニア・脊柱管狭窄症と診断されてしまったSさんが当院の施術を受けることで痛みを解消することができました。
Sさんはなぜ自分が良くなったのかをいまいち納得出来ていません。
「潰れた軟骨が神経に触れなくなったから痛くなくなったのか?」
と疑問にお持ちです。
ヘルニア・脊柱管狭窄症の痛みを改善する上でとても重要な考え方になりますので、対談形式でお伝えしたいと思います。
動画でのリアルな疑問や説明も参考にしてください。
Sさん
整形外科でMRIを撮った時に軟骨がちょっと潰れていて、狭窄症とヘルニアの初期症状で、軟骨が潰れて神経に当たって痛いんですよと言われた。
今私の痛みがなくなったのは潰れかけていた軟骨がどうなっていて、神経に当たっていないから痛みがなくなったのか?
なんで痛みがなくなったのか理由が知りたい。
不思議な治療をしているから、なんでそうなったのかが分からない。
私
整形外科的には潰れた椎間板が神経に当たって痛いという説明ですよね。
今、痛みがなくなっているけど、じゃあ神経に当たっているかどうかはMRIを撮ってみないと分かりません。もしかしたらまだ当たっているかもしれませんね。ただ、大体当たらなくなっている方が多いです。
そもそも最近の研究として神経への圧迫が痛みに関係あるかどうか相関性がないと言われています。神経に触れているからといって痛みが出るかといったらそうでもない。
実際に神経をすごく圧迫しているようであればもっと神経症状が出てしまいます。
何が原因になっているかといったら、諸説ありますが、完璧に言うことはできません。
筋肉が影響しているし、神経周囲の組織(膜)が炎症を起こして痛みが出てしまうとも言われている。
Sさん
でも、なんで施術を行うことで痛みがなくなったの?
私
背骨のバランスを良くしたからです。
Sさん
背骨?よく4番と5番がどうのこうのとか言いますけど、そこのバランスを整えたということ?
それでたまたま私は痛みが取れたということ?
ヘルニアや脊柱管狭窄症の人は4番と5番を整えることで痛みがなくなるの?
私
そんなシンプルな話ではありません。(笑)
4番5番が潰れているということは骨盤が捻じれている可能性もあるし、4番と5番に負担がかかるということはその上の部分もおかしくなっています。
普段から猫背の癖が強いじゃないですか?背骨が丸まって腰に負担がかかりやすい身体の状態なんですね。
Sさん
運転もしますしね。
私
そうです。
だから負担がかかって炎症が起こりやすい状態なんですね。
その身体の状態を改善したんです。
自然と血流やリンパの流れが良くなり回復したということなのです。
Sさん
常に仕事で運転をして姿勢も良くなかったりするんで、一回痛くなくなったからといって通わなくなったらまた元に戻ってしまう。
長時間の運転をしなくていい環境になればいいけど、そうもいかないから、私の場合は身体を悪い状態に戻してしまっているので、通わなければいけないかなとは感じている。
私
定期的なメンテナンスというのは今のSさんにとっては必要になりますね。
逆にしておかないと、それこそ悪化するリスクがあります。
Sさん
そうですよね。私の父は脊柱管狭窄症で手術しましたもん。
ある日突然歩けなくなって。そうはなりたくない。
私
そうですよね。
ここで大事なのは神経が当たっているからそこを手術すれば良いと思ってしまうことです。
手術したところで、腰に負担がかかってしまう身体の状態は変わっていないですから、結局のところ良い解決にはならないんですね。
いかがでしたでしょうか?
これからこの対談の補足をしていきます。
まずはヘルニアや脊柱管狭窄によって神経を圧迫しているから痛みが出るとは限らないということについてです。
1995年 カナダBoosらの研究によってそのことが言われています。
ヘルニアと診断され腰痛がある患者さん46名と、年齢・性別・職業を一致させた腰に痛みのない健康な人46人のMRIを撮影し、研究内容の知らない医師二人にその画像診断をしてもらうという研究です。
その結果、痛みのない健康な人の75%にヘルニアが見つかりました。
この研究結果からヘルニアによる神経圧迫が痛み・しびれの原因とは限らないということが言われています。
では、何が痛みを出してしまっているのか、医学的に諸説あり明確な回答は得られません。
つまり、まだまだ分からない未知の部分なんですね。
私が学んできた中でもっともその答えに近い部分をお伝えします。
そこに関わってくるのが筋膜です。
筋膜というと筋肉を包んでいる膜と思いがちですが、実はそうではありません。
筋膜というのは身体の最奥では脳を包む膜(脳硬膜)、内臓を包む膜、靭帯を覆う膜と名前を変えて全身に張り巡らされているネットワークになります。
そして、この筋膜というのは痛みを伝えるC繊維というものがあることが分かっています。
つまり、他の組織と関係なく筋膜が独立して痛みの情報を伝えるということになります。
筋膜が関わっている細胞をいかに羅列します。
関節軟骨細胞
骨芽細胞
半月板繊維芽細胞と線維軟骨細胞
椎間板繊維芽細胞、線維軟骨細胞、および軟骨細胞
靱帯繊維芽細胞
腱繊維芽細胞
滑膜細胞
間充織幹細胞
ヘルニアや狭窄症は神経を圧迫するだけでなくその周囲の組織にもダメージを与えます。
靭帯、椎間板、神経、神経を覆う膜、それらが損傷し炎症を起こしているのが痛みの原因と言えるでしょう。
なぜ、それらの組織が損傷してしまうのか?
それは動画の中でも説明している通り、身体のバランスの崩れになります。
そこを改善しない限り本当の意味での治癒はありません。