
「毎日腰痛がひどく、下っ腹に違和感がある」「腰痛がもともとあって、生理時にはひどくなってしまう」「常に腰痛があるし不正出血が続いてしまっている。」「婦人科で更年期の薬をもらっているけど腰痛が改善しない」「腰痛と子宮の状態を良くする方法は薬以外にないのかなぁ。」
腰痛は子宮・卵巣に関わる婦人科疾患から来ることもあります。
子宮の位置関係や自律神経の関りからも腰痛や骨盤痛に密接な関りがあります。
本記事では腰痛と子宮・卵巣の関係について正しい知識を得て頂きたいと共にどのように普段からケアをすればいいのかという考え方をお伝えします。参考にしていただければ幸いです。
この記事を書いている私はオステオパシー歴7年、臨床歴9年、理学療法士【国家資格】を取得しており、総合病院で3年間勤務経験があります。婦人科疾患からの影響と考えられる腰痛も改善してきた実績がありますので記事の信頼性に繋がるかと思います。
本記事の内容
動画でもお伝えしています。良かったらご視聴ください。
なぜ子宮・卵巣が腰痛に影響するのか?
子宮・卵巣の自律神経
子宮・卵巣は自律神経を介して腰に影響を与えます。生理中に腰の痛みがひどくなる方、腰が張ってしまうというような反応はこの神経の作用によることが多いです。
こういった反応を「体性内臓反射(たいせいないぞうはんしゃ)」と言います。
子宮・卵巣の状態が腰の筋肉に影響を与えてしまいます。
卵巣への交感神経は胸髄10~11両側から出ています。
ちょうど腰の上あたりになります。
卵巣は実は交感神経の支配しか受けていません。
理由は不明ですが、副交感神経が作用して血流が大量に送られてしまうと卵巣にとって過剰な負荷になってしまうからではないかと言われています。そのような危険性を排除して副交感神経がないのかもしれません。
ただ、現代人はストレス過多のため、卵巣にとっても血流不足が生じてしまっていることが考えられます。
子宮への交感神経は胸髄9~腰髄2両側、副交感神経は仙髄2~4(骨盤内臓神経)から出ています。
いずれも腰に該当します。
子宮内膜症、子宮内膜増殖症、子宮筋腫、卵巣嚢腫などがある場合、腰に痛みや張りを感じてしまうのはこの神経系のシステムによります。
腰痛が先か、子宮・卵巣の問題が先か
生理痛がひどい方もいれば、そうでもない方もいます。
また、子宮・卵巣に問題が出やすい方もいれば、そうでもない方もいます。
更年期にひどく症状が出てしまう方もいれば、そうでもない方もいます。
その違いは何でしょう。遺伝でしょうか?食生活でしょうか?環境でしょうか?
医学的には解明されていません。
恐らく生理痛がひどい方、子宮・卵巣に問題が出てしまう方、更年期にひどく症状が出てしまう方はもともと腰が痛かったり頭痛があるなど身体に不具合が出ている方が多いのではないでしょうか。
身体に痛みや不調があったということは骨格の歪み・捻じれや筋肉の過緊張があるということです。
その結果、子宮・卵巣への血流不足や老廃物の除去が適切に行われなくなり、子宮・卵巣の機能低下、疾患へと発展すると考えられます。
子宮や卵巣の問題がいきなり起こるわけではなく、そうなってしまう蓄積があるのです。
もともと腰痛や身体に痛みがある場合、子宮・卵巣の機能が落ちてしまう身体の状態にある
腰痛や身体に痛みや不調を抱えている方はまず間違いなく身体に歪みや捻じれが生じています。
その状態が続いていることで、次第に子宮・卵巣にもダメージが蓄積していきます。
子宮・卵巣の機能が落ちてしまう要因として
背骨の歪み・捻じれ
骨盤の捻じれ
子宮・卵巣への血管の捻じれによる血流不足と老廃物が適切に除去されない状態
子宮・卵巣へのリンパ流の滞り
骨盤隔膜の固さ
仙骨の歪み
このような身体の状態が放置されることで次第と子宮・卵巣に適切な栄養と老廃物の除去が行われなくなっていきます。
1日1日は大したことのないダメージかもしれませんが、それが1年、3年、5年と続くとどれだけの負担をかけていることになるでしょう。
因みに子宮・卵巣への血流ですが、大動脈から分岐する卵巣動脈や、総腸骨動脈から分岐する子宮動脈などによって行われます。老廃物を回収する静脈は卵巣静脈、子宮静脈⇒総腸骨静脈⇒大静脈へと流れ込みます。
いずれも大動脈や大静脈から分岐していますが、大動脈や大静脈がある部分というのは身体の中心部位であり、それぞれ骨盤を経由しています。
子宮・卵巣の状態を良くするために必要なこと
子宮・卵巣が正常に機能できる身体の状態を取り戻すことが必要になります。
・身体の歪み・捻じれを取り除く
・血液・リンパ循環状態を良くする
・自律神経系のバランスを改善する
この3つが最低限の条件となります。
身体の歪み・捻じれを取り除く
まずは身体の状態を良くしましょう。腰痛や頭痛など身体に痛みや不具合がある方は早めにその状態を改善しましょう。
ご自身でヨガやピラティスなどを試みるのもいいでしょう。
整体を考えている場合は、身体全体を見て優しく調整してくれるところを選ぶと良いと思います。マッサージやストレッチではこの身体の問題というのは中々取り除けません。
血液・リンパ循環状態を良くする
身体の歪み・捻じれが解消してきたら次第と血流もリンパの流れも良くなってきます。それに合わせて普段からの水分摂取を見直してみましょう。
普段からコーヒーやお茶などを中心に飲んでいませんか?
私や私が教わった先生方も「水」をお勧めしています。
人体にとって「水」に替わるものはありません。
コーヒーやお茶では他の成分も多様に含むため、純粋な「水」を飲むように習慣づけると良いでしょう。コンビニなどで売っているミネラルウォーターでも構いません。
1日に最低でも1ℓは意識して摂るようにすると良いでしょう。
自律神経のバランスを改善する
働きすぎやストレスがかかってしまうと、血管は細くなり血流が悪くなります。
ストレスを発散する方法や、心を落ち着かせる時間を作るようにしてみると良いかと思います。
自律神経のバランスを整えるためにおすすめの方法は瞑想ですが、なかなか難しいですよね。
オステオパシーの施術では深い瞑想状態まで導くものもありますのでお勧めです。
瞑想が難しいという方はグリーンエクササイズと言って、緑の多いところを散歩したり運動したりするとストレスが軽減するということが証明されています。簡単で気分転換にもなりますのでやってみてください。
当院の取り組み
オステオパシーのケアではあなたの身体全体を見て行います。身体の歪み・捻じれ、血液循環、自律神経のバランスを整えます。
子宮内膜症、子宮内膜増殖症、子宮筋腫、卵巣嚢腫など医療機関で治療を行っている方でもオステオパシーのケアをすることで病院での治療がより効果的になるケースもあります。
オステオパシーではそのような疾患に対して直接子宮や卵巣に対して施術を行うわけではありません。
身体全体の中から制限部位を解放することで子宮や卵巣が正常な機能を取り戻せるように働きかけます。
注射を何度打っても治らなかった腰痛がなくなり、子宮内膜増殖症も改善して子宮がキレイになった
東京都府中市 S様
施術を受ける前までの身体の状態はいかがでしたか?
腰痛がひどくて、整形外科に何度も行って、骨はきれいだと言われたけど痛みがあるので注射を行くたびに打っていました。打って2~3日は調子いいけど、また悪くなってしまうということを繰り返していました。注射は5回くらい打ちました。
それ以外にも電気や超音波みたいなのをやったけど一向に良くならずに、行くたびに注射と言われるので一生私は注射を打ち続けるのかと思ったら怖くなって整形外科に行くのをやめました。
実際に施術を受けてみてどうでしたか?
初回は正直あら、これで治るのかなと。整体というのはどこかをこう強く動かして骨を正常な位置に戻して痛みを取るっていうイメージだったので。先生が触るだけだったり大した動きがなかったので、これで本当に良くなるのかという思いはあった。ただ、最初丁寧に説明してくれた時に急には良くならない、行きつ戻りつを繰り返しでだんだん良くなっていくという言葉を信じるしかないなと思いました。3回目くらいで本当に良くなってきたから信じられるようになってきた。
子宮のお悩み
腰痛が出たころと同じくらいの時期に不正出血が止まらず婦人科を受診したら子宮内膜が厚くなるという子宮内膜増殖症という診断がつけられました。放っておくと子宮体癌になる可能性があると言われて内膜を剥がしてあげないといけないと言われて薬をもらっていました。
婦人科に通っているのと同時に腰痛や股関節の問題で先生のところにも通っていて、4~5か月経ってから子宮の中がとてもキレイになっていると言われて嬉しかったのを覚えています。
※個人の感想であり、全ての方に効果を立証するものではありません。
まとめ
いかがでしたか?
子宮や卵巣の問題が腰痛に関係するのは神経系のシステムによるものなのです。
子宮や卵巣に問題が出やすい方はもともと身体の状態も良くない傾向にあります。
そのことを今一度見直し、しっかりとあなたの身体を労わってあげてください。
適切なケアが行われれば、身体が持っている自然治癒力が大きな力を発揮してくれます。
この腰痛と子宮・卵巣の関係を書いた人

丸井恒介(まるいこうすけ)
出身地 | 東京 |
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生年月日 | 1985年2月3日 |
国家資格 | 理学療法士 |
所属 | 全日本オステオパシー協会 日本オステオパシー連合 IOAJ (International Osteopathic Association of Japan) |
経歴 | 平成 21年日本リハビリテーション専門学校入学 日本リハビリテーション専門学校理学療法学科卒業 平成 25年医療法人社団河井病院勤務 平成 25年日本オステオパシー協会入会 |