
「整体に行ったら内臓が癒着して固くなっているって言われてそれが腰痛の原因になっていると言われたけど本当なの?」
「内臓が癒着していると腰痛になるの?」
「そもそも癒着しているってどんな状態?」
そんな疑問にお答えします。
結論から言うと、内臓の癒着が腰痛の原因になることはあります。
ですが、別に内臓が癒着していない状態にも関わらず、「整体で癒着していると言われた」と仰る方も多いです。
その場合、施術者の勘違いによって、いたずらに不安を煽っているだけなので注意が必要です。
なんで内臓の癒着が腰痛の原因になるのか、そもそも「癒着」した状態ってどんな状態なのかをしっかりと理解できるように解説していきます。
これを知れば整体で変に「内臓が癒着している」と言われても、惑わされないし、不安になることもなくなります。
この記事を書いている私はオステオパシー整体歴8年、理学療法士【国家資格】を取得しており、総合病院で3年間勤務経験があります。
医学的知識を有し、オステオパシー・ドクターから継続的に学んでいるので記事の信頼性に繋がるかと思います。
本記事の内容
そもそも「癒着」とは?
癒着は漢字の通り癒えて着くと書きます。
癒着というのは炎症や外傷によって、本来は離れて分かれている臓器や臓器の組織面がくっついてしまうことを言います。
手術によって傷ついた組織を縫合する際に、その組織がくっついて自然治癒していきます。その際に組織同士がくっついてしまうことがよくあり、開腹手術では90%以上の確率で癒着が起きてしまうと言われています。
癒着が起こる原因
人の身体は筋膜による層があり、それがつながっている状態です。そこをメスなどで切り開かれ、縫合されると筋膜の層が癒着してしまいます。
また、炎症が続いているとそれによって組織が変性していきます。例えば火傷でケロイド状になった皮膚を思い浮かべると分かりやすいかもしれません。炎症が続き、組織が変性することで筋膜の層の癒着が起こってしまいます。
癒着があると何で腰痛に?
内臓に癒着がある時、例えば開腹手術後になるとお腹の筋肉の筋膜層や内臓の筋膜層が癒着してしまうことがあります。
本来筋肉の層や内臓の筋膜層にはある程度の可動性が保たれています。
しかし、癒着し傷口の瘢痕組織化によって、その可動性が失われてしまいます。
簡単に言うとお腹が伸びなくなってきます。
お腹が伸びない⇒腰の骨が反らしづらい⇒腰の骨が丸まってくる⇒腰痛
分かりやすく言うと、このような流れで内臓の癒着が腰痛を招きます。
こんな人が内臓の癒着で腰痛になりやすい
内臓が癒着してしまうのには理由があります。
癒着は主に長期間の炎症が続いたり、開腹手術をした後に起こりやすいです。
・盲腸など何らかの開腹手術を受けている方
・長期的に腹部臓器の炎症が続いてしまっている方
このような方は内臓の癒着が起こりやすいです。
逆に普通に生活されている方で、腹部の手術経歴もない方は内臓が癒着するということはまずありません。
整体でよくある「内臓が癒着している」間違い
当院に来られる方で、他の整体に行ったときにお腹を押されて固いから「内臓が癒着している」と言われた方がいました。
その方のお腹や内臓の状態を調べてみると、別に癒着なんてしていないんです。ただ、お腹の緊張が高まっているだけでした。
「内臓が癒着している」と言われるとなんだか不安になってしまいがちですが、本当に内臓が癒着している場合は今まで伝えた通り、手術の経歴や長期的に炎症が続いているような方に限られます。
本当に癒着がある場合は皮膚や筋肉、内臓の筋膜層に特徴的な硬さがあります。切り傷が治って痕になっている様子を思い浮かべてください。あんな感じで組織が瘢痕化したような硬さが出てきます。
そのような場合には癒着を解消させるような施術が必要になってきます。
よくある間違いは、ただ単に腹部の緊張を施術者が「内臓が癒着している」と勘違いしてしまっていることです。
なぜこのようなことが起きてしまうのかというと、内臓施術のセミナーや何かに出て、講師の先生が「内臓の癒着」について話をしていたから、次の日にそれをそのまま患者さんに伝えてしまっているという一番良くないパターンが多いです。
「内臓の癒着」が本当はどういうことなのか、本当に内臓の癒着がある人は皮膚やお腹の状態がどうなっているのか、こういったことをよく吟味せず、経験もせず、ただ単にセミナーで言っていたことを言ってしまっているだけなので、言われた患者さんはたまったもんじゃないです。
まして、内臓が癒着しているかなんて自分では分からないし、施術者に言われたことが合っているのかどうかも良く分からないと思います。
でも、癒着っていうのは本当は手術などで切ったあとに組織がくっついてしまったり、長期的に炎症がつづいた影響で組織同士がくっついてしまった状態なんです。
そのような経験がない方の場合、「内臓が癒着している」ということはまずありませんので安心してください。
多くの場合、施術者の勘違いでいたずらに不安だけ煽られてしまっているため、そのような不安が少しでもなくなればと思います。
まとめ
内臓の癒着について少しでも理解して頂けたでしょうか?
整体で「内臓が癒着している」と言われて不安になってしまう方も多いかと思いますが、そのような不安がなくなるように、内臓の癒着が本当はどういうことなのか、どんな人がなってしまいやすいのかということを改めて、知識として知って欲しいと思います。
変に整体で言われたからと言って、本当に正しいことを言っているかどうかは限らないです。
特に内臓なんて見えない部分なので、知らないことを言われると不安になってしまいますよね。
本記事の知識を参考にして、いたずらに不安になる必要はないと感じていただけたら幸いです。
この内臓の癒着が腰痛を招く、、、ってホント?を書いた人

丸井恒介(まるいこうすけ)
出身地 | 東京 |
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生年月日 | 1985年2月3日 |
国家資格 | 理学療法士 |
所属 | IOAJ (International Osteopathic Association of Japan) |
経歴 | 平成 21年日本リハビリテーション専門学校入学 日本リハビリテーション専門学校理学療法学科卒業 平成 25年医療法人社団河井病院勤務 平成 27年全日本オステオパシー学院卒業 平成 27年IOIAJ入会 ジム ジェラスD.O. トム シェーバーD.O. に師事 |