副鼻腔炎と蝶形骨

副鼻腔炎と蝶形骨

先日LINEでこのような質問を頂きました。

 

 

「副鼻腔炎で長年悩んでいて、3か所くらい病院に行ったけど治らず、1つの病院の先生から蝶形骨が原因になっていることもあると言われました。蝶形骨を調整すれば副鼻腔炎は治るのでしょうか?」

 

病院に行って薬を処方されているが、なかなか副鼻腔炎が改善せず長年お悩みの方は多いのではないでしょうか。

 

今回のご質問なのですが、結論から言うと、副鼻腔炎の改善に蝶形骨を調整することは大切です。
ですが、それ以上に重要なことがあります。
このことを見落としてしまうと、いくら蝶形骨を調整したところで中々副鼻腔炎の改善には至らなくなってしまいます。

 

本記事ではそんな副鼻腔炎と蝶形骨の関係や副鼻腔炎改善のために必要な身体の仕組みについて解説していきます。
副鼻腔炎でお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

 

府中オステオパシーまるちゃん整体院の丸井恒介です。

 

この記事を書いている私はオステオパシー歴10年、理学療法士【国家資格】を取得しており、総合病院で3年間勤務経験があります。

副鼻腔炎で悩まれる方を整体で改善してきた実績があるので、記事の信頼性に繋がるかと思います。

 

副鼻腔炎とは


副鼻腔炎とは、、風邪のウイルスや細菌、アレルギーなどにより、副鼻腔の粘膜に炎症が起こることで発症します。(以前は蓄膿症と呼ばれていました。)
顔面の骨の鼻の回りには副鼻腔と呼ばれる4つの空洞(上顎洞・篩骨洞・前頭洞・蝶形骨洞)があります。
この空洞の中の粘膜が炎症を起こしている状態です。
急性期では鼻づまり、ドロっとした匂いのする鼻汁、頬・鼻周囲・額の痛み、顔やまぶたの腫れ、発熱などの症状があります。
症状は1か月ほどで治まると言われていますが、炎症が長引き慢性化してしまうこともあります。

 

副鼻腔炎の一般的な治療


副鼻腔炎の一般的な治療法としては抗菌薬やステロイドなどの薬物療法や副鼻腔の洗浄などが行われます。
内視鏡を使った手術で炎症を起こしている粘膜を取り除いたり、鼻と副鼻腔を広げることもあるそうです。

 

 

副鼻腔炎と蝶形骨

蝶形骨の位置関係

副鼻腔炎と蝶形骨の関係を解説していきます。
まずはみなさん蝶形骨の位置がどこにあるかご存知でしょうか?
蝶形骨は下の模型で見ると赤い骨になります。

 

額に当たる前頭骨を外してみるとこのような感じになります。

 

蝶形骨単体で見るとこのような骨です。
蝶々のような形をしているので蝶形骨と名づけられています。

 

蝶形骨は頭蓋骨の中心に位置する

蝶形骨の位置は頭蓋骨の中心部分に位置しています。
そのため、前頭骨や頬骨、側頭骨、頭頂骨など頭蓋骨のほとんどの骨と関節しています。

 

頭蓋骨の歪みや捻じれの起点は蝶形骨と後頭骨の結合部にあります。

 

 

蝶形骨と副鼻腔


蝶形骨は副鼻腔を形成する骨と関節しています。
副鼻腔を形成する前頭骨(前頭洞)、篩骨(篩骨洞)、上顎洞(上顎骨)と連結しています。

 

 

副鼻腔の役割


副鼻腔は、構造的に顔面骨と頭蓋骨の重量を分散し、骨の強度と形を維持させています。
また、空洞部分は声に響きを加える役割があります。

 

副鼻腔は粘膜に鼻腔と同様に線毛という小さな突起があります。
線毛は空気と共に鼻の中に入ってきたほこりの粒子をとらえ、鼻の前やのどに向かって運び、気道から取り除きます。
この働きによって、肺に入る空気をきれいにするという役割があります。

 

ですが、副鼻腔のこれらの開口部は狭い傾向にあるため、風邪やアレルギーなどで粘膜が腫れてしまうと、空気と一緒に入ってきた異物の排出が妨げられてしまいます。
その結果、炎症や感染が引き起こされてしまいます。

 

 

蝶形骨の歪みが副鼻腔炎の原因?


蝶形骨の位置関係や副鼻腔の役割などご理解頂けたかと思います。
蝶形骨は副鼻腔を形成する多くの骨と関わっており、頭蓋骨の中心に位置しています。

 

副鼻腔は空気と一緒に入ってきたほこりなどの異物を外に排出する役割がありますが、蝶形骨の歪みは副鼻腔の排出経路の阻害に繋がります。
また、炎症を起こしている粘膜を解消するための血液の供給やリンパの廃液などが妨げられてしまいます。

 

だから、副鼻腔炎が長引いてしまうのです。

 

蝶形骨の歪み=頭蓋骨の歪み=身体の歪み


「じゃあ、蝶形骨の歪みを治せば良いじゃん!」
と思われる方も多いかもしれませんが、事はそう単純ではありません。

 

蝶形骨は頭蓋骨の中心に位置しており、蝶形骨単体で歪むということはありません。
蝶形骨に歪みや捻じれがある場合、蝶形骨と隣接している関節はもちろん、それ以外の骨にも間接的にその影響が波及します。

 

つまり、蝶形骨の問題は頭蓋骨全体の問題と言えます。

 

そして、頭蓋骨は脳硬膜を介して脊髄を通り、仙骨にまでつながっています。
頭蓋骨は骨盤をはじめ、背骨や肋骨の状態など身体全体の影響を受けます。

 

だから、いくら蝶形骨が悪いと思って、蝶形骨だけを調整したところで、肝心な身体の部分が整っていなければ、頭蓋骨の状態は変わっていきません。

 

 

頭蓋骨だけじゃない身体の循環経路


また、副鼻腔炎改善に必要なのは頭蓋骨だけではない、身体の循環経路です。
それは血流であり、リンパであり、呼吸や自律神経系の影響があります。

 

副鼻腔炎が長引いている人の特徴として、呼吸が浅く、背中は丸まり、身体が緊張状態になっていて自律神経のバランスが崩れてしまっている方が多いように思います。
そのようなお身体の状態だと副鼻腔に起きている炎症を解消するための良好な血液循環やリンパの廃液が滞ってしまいます。

 

首や肩にコリや痛みを抱えていませんか?
腰に痛みや張りは感じていませんか?
背中に違和感やコリはありませんか?
呼吸は浅くなっていませんか?
姿勢は悪くないですか?
夜はよく眠れていますか?

 

上記のような普段からの生活習慣が、あなたの身体の循環を悪くしている要因でもありますので、ぜひ普段からの生活を見直してみてください。

 

 

副鼻腔炎は身体全体の問題

副鼻腔炎がなかなか治らず、「副鼻腔炎は蝶形骨の歪みが原因かも」と言われるとそう思ってしまうかもしれません。
ですが、今回の記事を読んで頂ければ分かる通り、蝶形骨だけが問題を起こしているわけではありません。
副鼻腔炎は身体全体の問題なのだと認識して欲しいです。

 

 

 

蝶形骨に固執しすぎないで


以前「蝶形骨が悪いんだ」と変に情報を鵜呑みにしてしまい、蝶形骨だけに固執してしまっている方がいました。
その方は蝶形骨の歪みが取れれば、自分の副鼻腔炎は治るんだと信じ込んでしまい、そうではないということをいくら伝えても理解を示してくれませんでした。

 

施術をしていても、変に固定概念で思考が固まっているので、身体にも反応が起きなくなってしまっていました。
思考と身体の状態はリンクしています。
思考が固まれば、身体も固まります。
変に考えずオープンでいる方の方が身体の反応も良いです。

 

 

まとめ

今回の内容をまとめます。

 

  • 蝶形骨は頭蓋骨の中心にある
  • 蝶形骨の歪みが副鼻腔炎に影響している
  • 蝶形骨が単体で歪むということはない
  • 蝶形骨の歪み=頭蓋骨の歪み=身体全体の歪み
  • 副鼻腔炎は身体全体の問題

 

いかがでしたか?
「蝶形骨の歪みが問題」と言われると、そうなのかと思ってしまうかもしれません。
ですが、そう思い込んでしまっていると大きな落とし穴にハマってしまう恐れがあります。

 

蝶形骨だけでなく身体全体のバランスを見ていくことが必要なんだと理解して頂ければ嬉しいです。
副鼻腔炎が長引いてしまっている方はぜひ本記事を参考にして、身体全体のケアをしていくということを考えてみてください。

電話番号をタップすると電話をかけることが出来ます。

ご予約の際は「ホームページを見て」とお伝えください。

【京王線 府中駅より徒歩4分】

〒183-0055 東京都府中市府中町2-3-11 KTマンション 404

■営業時間 9:00~21:00

■定休日…水曜日・祝日、不定休