「いつも悪いことばかり考えてしまう」
「頭が不安でいっぱいでどうしようもない」
「もし○○だったらどうしようと常に心が休まらない」
このように不安や悩み事で頭がいっぱいな方に今回の内容は助けになるかと思います。
不安や心配事、悪いことばかり考えてしまうと呼吸も早くなり動悸や息切れなど数々の自律神経の不調が出てしまいます。
良くないなぁ、やめたいなぁとは思いつつもやはりこのような負の思考のループから抜け出せず困っている方は多いのではないでしょうか。
なんでそんなに負のループの思考が出来てしまうのか、どうしたらそこから抜け出せるのか。脳の特性や仕組みを知ることで少しは楽になるかもしれません。
今回は脳科学者が実際に脳卒中を経験してそこから回復した経験から脳の仕組みについて書かれている名著「奇跡の脳」より参考にさせて頂きます。
参考文献 奇跡の脳 ジル・ボルト・テイラー 新潮文庫
府中オステオパシーまるちゃん整体院の丸井恒介です。
この記事を書いている私はオステオパシー整体歴10年、理学療法士【国家資格】を取得しており、総合病院で3年間勤務経験があります。
自律神経失調症や不安・パニック障害の方にカウンセリングや整体を提供しています。
脳は右脳と左脳に分かれていて、その間を脳梁という橋渡しによって繋がれています。
左右の脳はそれぞれ異なる機能を持ち合わせていますが、今回はそのような解剖学的・神経学的な話は余り意味をなさないので省きます。
それよりも大切なのは左右の脳の心理学的・人格的な違いです。
このことは解剖学や現代医療において余り触れられることはありません。
考えること=左脳
感じること=右脳
小さな自己=左脳
大きな自己=右脳
男性的な心=左脳
女性的な心=右脳
陰=左脳
陽=右脳
思考型の心=左脳
直感型の心=右脳
このような脳の左右の特性について聞いたことがある方もいるかもしれません。
私たちの脳の中には二つの相反する存在があるということをまずは知っておいてください。
脳の左右の人格について伝えられていることをまとめていきます。
深い内なる安らぎと愛のこもった共感(右脳の最も基本的な特色)
現在の瞬間しか気にしない
ありのままの物事を受け取り、そこにあることを事実として認める。
感謝の気持ちでいっぱい
楽天的
良い・悪い、正しい・間違いという判断はない
冒険好きで社交的
決めた枠内の規則や規範に縛られない
創造的でありカオス的
運動感覚があり、機敏で流体
直感的
過去や未来の不安によって身動きが取れなくなることはない
境界についての知覚がない⇒私たちは全ての一部であると知っている
怠惰になる可能性がある
外の世界と意思を通じ合うためのツール
あらゆるものを分類し、組織化し、記述し、判断し、批判的に分析する能力を持っている。
理論化し、合理化し、記録化するために忙しなく働く。
完全主義者
管理人のよう
クソ真面目
正しい・間違っている 良い・悪いで判断する
財務や経済を重視する
複数の仕事をこなせる
物事を順序だてて考え機械的な操作に優れている
大量の情報を処理するのが得意⇒右脳はゆっくりとしている
躁状態になる可能性がある
頑固で傲慢で皮肉屋で嫉妬深いエゴ(自我)がある
物語を作り上げる能力に長けている(左脳の最も顕著な特性)
空白を埋めてしまう能力がある⇒もしも~だったら?
ここで問題となってくるのは左脳の物語作家的な性質です。
左脳は私たちが生きる上で大切な能力を担っていますが、その反面、皮肉屋で嫉妬深く頑固で傲慢といった人間のエゴの回路も備わっています。
物語作家でさらに空白を埋めたがる性質があることがとても厄介なのです。
例えば「もし○○だったらどうしよう」「もし○○になったら○○になるかもしれない」というように不安や悲観的な出来事を思い浮かべるとその空白を埋めてしまいます。
「もし明日地震になったらどうしよう」
「もしこのまま治らなかったらどうしよう」
「もしあの人に嫌われたらどうしよう」
などなど例をあげたら切りがありません。
このように自分の物語作家がドラマやトラウマを作り出してしまい、それが繰り返す思考のループを形成してしまいます。
あなたはいつまでも同じような悩みや不安をずーっと考えてしまっていませんか?
それはこの左脳の特性みたいなものなのです。
さらに厄介なことに、このような悩みや不安を考えたり、注意を払えば払うほど、思考パターンの回路は強くなり、外からのちょっとした刺激によって簡単に働くようになってしまいます。
「奇跡の脳」でジル・ボルト・テイラーはこのように述べています。
「左脳が真実だと信じ込んで作る物語には冗長な傾向もみられました。まるで反響しているかのように心に繰り返しこだまする、思考パターンのループが出来てしまうのです。中略、そしてわたしたちは知らず知らずのうちに最悪の事態ばかり考えるようになります。」p234
残念ながら現代の私たちの教育では脳の内側で起きていることを観察する方法を学ぶことはありません。
私自身のマスターも仰っていたのですが、「私たちはマインドについて学ぶ機会がほとんど与えられていない」と嘆いていました。
では、どうしたらこのようなマインドから抜け出せるのでしょうか?
いくつかの方法を紹介します
あなたの物語作家が勝手に物語を作る時に、脳にお願いしてみてください。
「もう十分だからいい加減にやめてほしい」と物語作家に反発していてもますますあなたの中の物語作家は増長してしまうでしょう。
そうではなく、心からお願いしてみてください。
「色々なことを感じたり考えたりするあなたの能力はとてもありがたい。でも私はこの考えや感じ方はあまり興味がないんです。だから、もうこの話は終わりにしませんか?」
身振り手振りや手の動きでジェスチャーを加えたりするとなお効果的だそうです。
もしくは放っておいてもいいかもしれません。好きなだけ好きに話をさせておくのも一つの手です。そこに何の感情も挟まずにただ物語作家の好きに話をさせてあげてください。
右脳と左脳の性質から、右脳の持っている今の自分に集中することです。
自分自身の意志の力を持って、「今ここに」意識的に集中する。
意識して右脳に繋がるのです。
今のあなたの呼吸はどうですか?
深く吸えていますか?ゆっくり吐けていますか?
お腹はゆっくり膨らみますか?
あなたは今快適ですか?
あなたは今どこにいますか?
眉間にしわを寄せていませんか?
楽に身体の力を抜いてリラックスできますか?
もう一度ゆっくり深呼吸してください。
マインドから離れても大丈夫です。
意識的にマインドから離れてみてください。
平和で感謝に溢れている右脳マインドに意識的につながってみてください。
どんなもの事にも常に違った見方があります。
ほとんどの人は自分がどう反応するのかを無意識のうちに選択をしてしまっています。
このような自動回路で行っている選択に注意を払うことで意識的に自分で選択できるようになります。それは自分自身の人生の手綱を握り、責任を持つことなのです。
悪い思考のループに陥っていたら、意識的に止められるという能力を持っているのだと知って欲しいです。
左脳の思考ループに陥らず、意識して右脳の領域に入り、思考を今この瞬間に引き戻すことができるのを知っていれば、あなたにとって精神的にも健康的にも大いに助けになります。
いますぐに出来るようになるのは難しいかもしれません。マインドから離れることを学ぶには時間や忍耐が必要かもしれません。
ですが、このことを知っておくだけでもあなたにとっては助けになるのではないかと思います。